CSRとスポーツ

企業がスポーツ支援をする理由は、「CSR活動の一環として」「PRのため」という2つの理由があるそうです。

今回はスポーツとCSRについて少し考えてみたいと思います。少なくとも今までは、PRのために運営されていた企業スポーツですが、昨今、どうやら、その流れが変わってきているようですよ。

それでは、いくつかのオピニオンを参考にしながら、企業とスポーツとCSRの未来を思い描いてみましょう!

追記:2015年3月
CSR/社会貢献でスポーツ支援をする、企業の戦略的フィランソロピーとは

CSR目的のチーム保有が増加

CSRスポーツ
休廃部や新規参入…企業スポーツの舞台裏より)
※複数回答有

スポーツに関わる事業を営む企業以外、主要ビジネスとは領域の異なるスポーツ支援。

大金を払ってまでも、保有・管理する理由は、ざっくり言えば、「PR」と「従業員の士気向上」の2つと言われています。

同じ従業員が、オリンピックになんか出ちゃった日には、それは同じ会社の人間として誇らしいと思うでしょうね。チームでも、「大阪の人間は阪神タイガースを応援する」がごとく、自社チームに愛着を持って応援する人もいるでしょう。

がしかし、です。その肝心のPRも士気向上も、達成しにくくなっているとか。

簡単な話し、チーム保有に1億円かかるとしたら、その1億円で、何かしらの広告を出した方が、PRができると。その1億円で、インナーコミュニケーション向上はもっとできると。

そういった背景から、資金的には運営できても、株主などからの反発があり、継続が難しくなっているらしいのです。

CSRの定義とは何か

そもそも、CSRは「どんな事業をするか(What)」ではなく、CSRは「どうやって事業をするか(How)」が問われています。

世界的なCSRの定義では、欧州委員会のCSRの定義がスタンダードと言われています。CSRは 「企業が社会に与える影響に責任を持つこと」 と定義され、環境、社会、経済へのマイナス影響を最小化し、良い影響を最大化するものとしてます。

参照:CSRの定義を再考するための10のポイント

この解釈からすると、僕は、企業がスポーツを支援するのは、CSR的ではないのではと考えます。

これまでなぜ企業がスポーツを行ってきたのでしょうか?高度成長期には、社員の士気高揚、福利厚生など社内一体感・求心力(社内的価値)として、バブル経済期以降は広報宣伝・メディアバリュー(社外的価値)と位置付けられてきました。 近年では経営のディスクロージャ化とともに、ステイクホルダーに対する説明責任が大きくなり、効果の見えないスポーツ活動への投資は厳しくなっています。そこで、合理的理論として登場するのが「社会貢献」です。「企業のスポーツ活動は公共性を持ち、社会に貢献している」ことを「なぜ、企業がスポーツを行うのか」の問いに答えるというものです。
(スポーツとCSRの関係 後編より)

上記のように、その根底にある企業のミッションに、スポーツ支援の必然性がマッチするのであれば、それはそれでアリかなとも思います。

また、スポーツチーム自体が行う社会貢献活動などもあり、一概には言えませんが、新規参入企業の動向は今後も注目したいと思います。

企業の言い分

ちなみに、以下の企業は、スポーツ支援について、ウェブにて解説をしています。3社の抜粋ですが、やはり、スポーツ支援をCSRと関連づけていますねぇ。「日清食品|CSR活動」、「旭化成|CSR活動」、「佐川急便|CSR」あたりは明記されていますね。

まとめ

僕ごときの人間が、スポーツとCSRをどうこう言うのはお門違いですが、フィランソロピー的な支援からの脱却を目指す動きには非常に興味があります。

スポーツ支援でソーシャルビジネスを、スポーツ関連企業にはして欲しいですが、一般事業会社もShered Value的な価値観を生み出して欲しいですよね。スポーツを取り巻く企業や個人の支援について、今後も注目していきたいと思います。

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