ミニストップのCSRコミュニケーション事例

今回は、ミニストップのCSRコミュニケーション事例の紹介。

一昨日、Facebookページにてビックリした発言をしていました。
「フェアトレード認証バナナが消えます」という投稿です。

ミニストップの正直な気持ち、
度重なった苦難、ビジネスとしての困難。

僕、個人としては、
よくぞ、正直に言ってくれたと、
感謝すらしたい気持ちです。

そして応援したい。

フェアトレードとは何か。
エシカル・ビジネスに関わる意味は何か。
消費者としてフェアトレード商品をどう見ればいいか。

とても考えさせられました。

以下、ほぼ全文の引用とさせていただきました。

フェアトレード認証バナナが消えます

ミニストップCSR

以下引用——————————————–
「2013年、アジア産まれのフェアトレード認証バナナが消えます」

こんにちは、フェア研のオカムラです。
今回は、皆さんにとっても残念な報告をしなくてはなりません・・・

実は、Yoshida Farmで生産されたフェアトレード認証バナナを12月24日(月)より販売を中止することとなりました。

販売中止に至った理由は、Yoshida Farmから「経営が赤字になり続けているため、2013年はフェアトレード認証の更新をしない(注)、したがってフェアトレード認証バナナとして出荷できません」という話をいただいたことによります。
(注)フェアトレード認証は、1月を期首として毎年更新する手続きを踏むルールになっています。

Yoshida farmでは約3,500箱/週の生産量中、約2,500箱(注)のバナナを、フェアトレード認証規格で定められた価格で売ることができれば損益にならないのですが、今はフェアトレード認証規格で買い取られているのは概ね80箱/週。
(注)バナナが入っているダンボールの重量は約14㎏。どこのブランドのバナナでも同じ規格です。スーパーや八百屋さんでお見かけしている方もいらっしゃるかもしれませんね

つまり、残りの約3,400箱あまりはフェアトレード認証規格の価格で買い取られていません。もっと安い価格で買い取られて主に中東、その他中国や日本(ミニストップ以外の販路)へと輸出されているそうです。

フェアトレード認証の取得と維持のためにYoshida Farmは、設備投資の回収や、農薬散布回数を減らす代わりに人の手を借りたり、と
かかる費用をまかなう利益を得られずにいました。何とかならないかとガマンして経営をし続けたのですが、これ以上の赤字経営を続けることは難しいという判断をしたそうです。

たとえフェアトレード認証を取らなくなったとしても、Yoshida Farmのバナナをミニストップで売ることができないか。
ミニストップでは輸入会社のローヤル社の皆さんに申し出、話し合ってきました。

しかしYoshida Farm産のバナナだけを輸入・出荷することは、作業が煩雑になるために難しいという返事をいただいたためフェアトレード認証の有無に関わらずYoshida Farmのバナナを売ることを一旦中止するという決断をすることとなりました。

というのも、輸出会社はYoshida Farmと、他の幾つかの農園のバナナをまとめて仕入れることで運送コストを抑えることができるところを
しかしこの2年間、フェアトレード認証バナナという理由からYoshida Farm産バナナを敢えて分けて運んできました。

物流コストアップが、輸入会社にもうこれ以上、Yoshida Farm産バナナだけを分けて運んでくることができないという判断に至らせました。

観点を変えて販路を増やそうと、ミニストップではイオングループ企業にフェアトレードバナナの品揃えについて打診をしてきました。残念ながら私たちの努力不足もあり採用してもらうには至りませんでした。

各社とも、すでに生産国や高地や有機など栽培方法を含むいろいろなブランドのバナナを販売していて、これ以上のアイテムを増やすことが難しかったからです。また、フェアトレードの意味合いと価格について、お客さまにどうやって理解していただけるのか、という点が懸案材料でもあったからです。

生鮮食品であるバナナの場合、販売期間がせいぜい3日前後。売れなかったら廃棄せざる得ません。
廃棄になったら、仕入れコスト=赤字コスト。チョコレートやコーヒーよりも赤字になる確率が高い商品であることも、取扱いのハードルが高くなる理由でもあると思います。。

もちろん、最初に話をいただいた時からずっと、ミニストップは販売継続ができないかとYoshida Farmと輸出会社、輸入会社と連絡を取り合ってきましたが力及ばず、販売を中止せざる得なくなった次第です。

ミンダナオ島に無数とあるバナナ農園の誰もが挑まなかったフェアトレード認証を取る、という挑戦をしたYoshida Farmを何とか応援できないものだろうか…。ミニストップのバナナ担当が頭を悩ましながら出した結論は「スポット販売」。

つまり、毎日の売場でYoshida Farm産を販売することができないのですが、例えば月1回、まとまった数を発注することによってYoshida Farm、輸出会社や輸入会社も赤字にならないように仕入れて販売する方法です。

このスポット販売についても今現在、バナナ担当者が関係者と話を詰めている状況のため、詳しいことは来年、またお話ししたいと思います。

最後にもう1点、報告があります。
実はオカムラ、ミニストップのフェアトレード推進担当から、店内抽出するコーヒー担当へと異動しております。後任はいません。

フェア研はどうなるのでしょう?
ミニストップはフェアトレードを応援することを止めるのか??

今まで皆さんに明快な内容をお伝えすることができず、なかなかお知らせできていませんでした。ごめんなさい。

でも皆さん、ミニストップは未だフェアトレードを止めたわけではありません。

今もミニストップではトップバリュブランドのブラックの缶コーヒーを売り続けています。バレンタインシーズンには、トップバリュのフェアトレードバレンタインチョコを発売する予定です。

フェアトレードを広めるため前へ進んでいます!っとカッコよく言えるような状況ではなく、何とか踏みとどまっているようなミニストップですが、今後も皆さんの温かい応援をいただけたら、と思う限りです。
————————————————————-
ミニストップ・フェアトレード研究所
Facebookページ[2012年12月23日20:00]の投稿より引用

まとめ

いかがでしたでしょうか。

賛否あるかもしれませんが、
僕はオカムラさん、そして、
ミニストップの勇気ある発言に素晴らしいと言いたい。

フェアトレードやエシカルといわれるジャンルは、
日本国内に入ってきたとたん、急にキレイなストーリーになる事が多いです。

でも、現場なんてキレイごとはほとんどない。
企業も利益になりにくいことにチャレンジすることは困難。

では、なぜ、
フェアトレードやエシカル、ひいてはCSRをするのか。

困難だとわかっていてもチャレンジする意義はあるのか?
その行為に必然性があるのか?
儲からなくてもやり続ける理由はあるのか?

その必然性を証明するものがあるとするならば、
企業理念やクレドといったものになるのでしょう。

想いがあるから、やる。
僕はそれだけだと思います。

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