CSR企業ランキング2021
本日3月1日発売となった雑誌『週刊東洋経済 2021年3/6号』で、東洋経済新報社の最新版CSR企業ランキングが発表されたので共有します。
「CSR企業ランキング」とは、東洋経済新報社が2007年から行っている、1,600社以上の「CSR企業調査」のデータを元に財務・非財務の両面を評価した、国内最大規模のCSR/ESG/サステナビリティ総合評価企業ランキングです。
この東洋経済の調査データは様々なESG評価機関/データプロバイダ等でも活用されているようです。もちろん、私もこれらのデータを元に色々ち企業研究をしています。最近では関連書籍が多くの大学に置かれていることも増えているようで、学生の企業分析などでも活用されているみたいですね。東洋経済のオンラインメディアでもいつくかの関連ランキングが発表されますし、このデータなどは少なくとも数百万人にはリーチしています。
雑誌では詳しいランキングが載ってますので急ぎで確認したい方はそちらでどうぞ。例年通りだと数ヶ月後にウェブサイトでも開示されると思います。
追記(2021年9月6日)
ウェブで公開されました →信頼される「CSR企業」ランキングTOP500社
CSR企業ランキング2021・トップ30
1、KDDI(昨年順位:1位)
2、日本電信電話(3)
3、富士フイルムホールディングス(5)
4、JT(7)
5、花王(4)
6、NTTドコモ(2)
7、サントリーホールディングス(53)
8、大和ハウス工業(13)
9、トヨタ自動車(17)
10、キリンホールディングス(12)
11、富士ゼロックス(9)
12、セブン&アイ・ホールディングス(6)
12、コマツ(8)
14、東レ(15)
15、ダイキン工業(11)
16、アイシン精機(21)
17、旭化成(10)
17、クボタ(22)
19、オムロン(24)
20、ブリヂストン(14)
20、積水ハウス(19)
22、キヤノン(23)
23、デンソー(27)
23、第一三共(37)
25、中外製薬(75)
26、住友商事(52)
27、NEC(32)
28、いすゞ自動車(49)
29、東京エレクトロン(35)
30、三菱電機(28)
所感
今年の1位はKDDIで2連覇でした。社会貢献の幅の広さが決め手だったようです。いわゆるESG系のインデックスやアワードではあまり見かけませんが、総合力では間違いなく日本トップクラスである、ということでしょうか。2位が日本電信電話、3位が富士フイルムホールディングス。トップ3は、昨年の1位・3位・5位なので、順当な順位といえるかもしれません。もうレジェンドですね。トップ30くらいの企業は、ポイントの差はあるものの誤差に近いというか、どの企業もトップ10、トップ3に入るポテンシャルはあります。
KDDIは去年の東洋経済のセミナーで話を聞いて、がんばっているなと思っていましたが、連続1位とはすごいですね。NTTも大御所だし、富士フイルムは常連すぎて、この3社には特にコメントがないという…。とりあえず、企業のサステナビリティサイトのリンク貼っておくので興味のある人は、活動をチェックしてみてください。
>KDDI|サステナビリティ
>日本電信電話|NTTグループのCSR
>富士フイルムホールディングス|サステナビリティ
いまだに全世界で猛威を振るう新型コロナ感染症ですが、今回のランキングの元になったアンケート調査は2020年7月ごろなので、まだコロナの影響がそこまで大きくなかった企業も多いと思います。つまり、本格的なコロナの影響が各社のサステナビリティ推進活動に与えた影響が数値になるのは、来年(2022年発表版)の格付けからになります。
今年はこのような上位企業でしたが、来年はコロナの影響を多く受けた業種や企業が一旦下位に落ちて、過去10年で起きなかった大変動(下克上?ジャイアントキリング?)の可能性がでてきます。今年のランキングが発表されたばかりで来年のことを議論してもしょうがないので、まずは、今回の上位企業の活動や情報開示を研究し、次につなげましょう。
掲載誌
週刊東洋経済 2021年3/6号
<目次>
第2特集
CSR企業ランキング 2021年版
総合上位企業 KDDIが2年連続トップ 積極的な社会貢献が光る
総合ランキング300
部門別上位企業 人材活用はANAが1位 CSR合計値ではSOMPO
人材活用/環境/企業統治+社会性/CSR合計/財務
金融機関 東京海上が僅差で首位 SOMPO、第一生命が続く
金融機関上位30社
総合ポイント上昇率&未上場企業 総合190位のナブテスコ 上昇率ではトップに
総合ポイント上昇率 上位5社
未上場企業 上位10社
広がるESG投資 情報の共通化をどう進める
ポストコロナの働き方 テレワーク普及に課題 評価制度の変更も必要に
[アンケート]ポストコロナ時代の働き方改革について聞いた
参考:CSR企業ランキング2020・トップ30
1、KDDI(2019年の順位、2位)
2、NTTドコモ(1)
3、日本電信電話(11)
4、花王(3)
5、富士フィルムホールディングス(5)
6、セブン&アイ・ホールディングス(17)
7、JT(17)
8、コマツ(6)
9、富士ゼロックス(7)
10、旭化成(10)
11、ダイキン工業(8)
12、キリンホールディングス(80)
13、大和ハウス工業(31)
14、ブリヂストン(4)
15、東レ(36)
16、富士通(23)
17、トヨタ自動車(19)
18、東芝(137)
19、積水ハウス(14)
20、三菱商事(47)
21、アイシン精機(39)
22、クボタ(12)
23、キヤノン(13)
24、オムロン(25)
25、ANAホールディングス(43)
26、アサヒグループホールディングス(29)
27、デンソー(9)
28、セイコーエプソン (14)
28、三菱電機(16)
30、Zホールディングス(28)
参考:過去CSRランキング詳細
※「東洋経済オンライン」の該当ページに飛びます※
・東洋経済CSR企業ランキング2020
・東洋経済CSR企業ランキング2019
・東洋経済CSR企業ランキング2018
・東洋経済CSR企業ランキング2017
・東洋経済CSR企業ランキング2016
・東洋経済CSR企業ランキング2015
・東洋経済CSR企業ランキング2014
・東洋経済CSR企業ランキング2013
・東洋経済CSR企業ランキング2012
・東洋経済CSR企業ランキング2011
まとめ
あなたにとって、今年のランキングは、ほぼ予想通りでしたでしょうか、それとも予想外でしたでしょうか。
東洋経済側は評価メソッド(評価項目・評価方法)を公開しているので、上位企業はテクニカルに回答できているから点数が高く、実際の推進レベルより高い評価を得ている可能性は否定できません。そのためこのランキングがすべてとは言いません。東洋経済の調査は、いわゆるアンケート形式なのでそれができてしまうのです。まぁ、とはいえ、サステナビリティ推進活動ができてないと答えられない項目もたくさんありますので、SDGsやESGの対応を含めて、実態と大きく変わるものではないとは思っています。
ともあれ本ランキングの詳細を知りたい方は、まず雑誌を買ってチェックしてください。ちなみに私は、毎年2冊買って、一冊は保存版、一冊はスクラップして眺めたりメモしたり計算したりしてます。あと、そこまで時間はかけませんが、上位企業の「CSR企業総覧」の回答内容と点数を比較して、色々と妄想したりしてます。完全に趣味の範囲ですが、なかなか興味深いです。
このあたりは、私が主宰する「サステナビリティ情報開示勉強会」でも詳しく解説したいと思いますので、ご興味がある方は、参加を検討してみてください。1回だけの参加もできますし、制作会社/コンサルの方でも参加できます。
例年だと4月に発売される「CSR企業白書」には最新のランキングが掲載されるので、雑誌よりも多くの順位を知りたい人は、CSR企業白書を購入するほうがよいかもしれません。日本で最も母数が多いCSR/ESG企業評価ですので、その価値はあるでしょう。現場からは以上です。