ソーシャルイノベーション

あなたはイノベーションをどうとらえてますか?

今回は、CSRブロガーの藤井氏の記事を読んで、
考える所があったので、そのまとめを。

「再訪リトアニアで考えるソーシャルイノベーション」

なぜか僕の中でドラッカーのマーケティング論と重なる部分が多く、
ピーター・ドラッカー氏と藤井氏を合わせて考えてみた。

ソーシャルイノベーションの本質:ドラッカー

これまでわれわれが知識の生産性をあげるうえで経験を重ねてきた分野は、もっぱら経済と技術の分野に限られている。しかし、それらの分野で得られた原則は、社会問題や、政治や、知識そのものの分野において、知識の生産性をあげるうえでも適用される。これまでのところ、それらの分野に知識を応用するための努力は、ほとんど行われていない。
(ピーター・ドラッカー:ポスト資本主義より)

ドラッカーは、
以前から強調している「ソーシャル・イノベーション(社会革新)」は、
つまり、マーケティングの大本質「市場を創造せよ」につながるのだと考えてます。

ドラッカーは非営利組織の経営についても造詣が深いので、
ソーシャルイノベーションの可能性が見えてもおかしくないですもんね。

ソーシャルイノベーションの本質:藤井氏

一方、ブログ執筆者の藤井氏はどう考えているか。

企業が行う「ソーシャルイノベーション」とは一言で言えば「新しい方法による社会の市場化」ではないかとわたしは浅慮しています。市場でなかたところに市場が形成されて、競争が誘発され、そのことで不断に社会的課題が解決されていく。たとえば、最新技術を駆使してウミガメを守る、ということをどこかの会社がやったとしても、「なに!負けてはならじ、我が社もウミガメ」を、と競争が繰り広げられていく、なんてことは起きない。善意の事業であります。NGOが行うソーシャルイノベーションというものがあるならこういう感じかもしれません。

社会課題解決のための「新しい手法」がビジネスとして広く関心を呼ぶだけ魅力的なものであるとき、それはソーシャルイノベーションではないかと思うのです。競争する主体という企業のひとつの本質が社会課題の解決を自律的に拡大していくからです。もちろん、パイオニアになるにはきたるべき競争に打ち勝つだけの強い意志と能力が必要です。
(藤井氏)

つまり、ビジネスチャンスとしての可能性がある時のみ、
自社以外の企業も参入してくる、まさに、社会のイノベーションが起きると。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ドラッカーは2005年11月に亡くなりましたが、
彼には10年後の未来の可能性が見えていたのではないでしょうか。

CSRや公的事業は「善であることを実行する」ことに重きが置かれ、
イノベーションという領域まで思慮されないことも多いです。

だからこそ、民間企業の試行錯誤のCSR活動が、
企業の成長戦略としてのソーシャルイノベーションになるとき、
その走り抜けた季節の分、パイオニアとしてのポジションを発揮できるのかもしれません。

将来、日本が、ドラッカーの予測した未来に辿り着くには、
まだまだ試行錯誤が必要なのかもね。