CSV経営の良書

今回の読書メモは「コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法」(名和高司、ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。副題は「定番フレームワークの最新活用法から社会課題解決まで」です。うむ。

一橋の名和先生といえば、様々な企業のCSV経営コンサルをする方としても有名です。書籍プロフィールによれば、CSV支援限定ではないですが、ファーストリテイリング、デンソー、味の素、NECキャピタルソリューションズ、などの社外取締役や、ダイキン、日立、花王、三菱ケミカル、ピジョンなどのアドバイザーもしています。そんな名和先生の経営戦略に関する解説書です。

要所要所でCSV経営に関する記述もあり、理論の限界を超える考え方の提言もあります。興味深かったのは第15章の「社会課題を解決したいあなたへ」です。フィリップコトラー「マーケティング3.0」やマイケルポーター「CSV」も含めて、まさにMECEな解説がなされており、これはこれで必読です。SDGsやそのほかのトレンドにも言及されています。

また、冒頭でミレニアル世代の台頭について言及がありますが、私自身がミレニアル世代であり体感として理解できました。体感としてというと伝わりにくかもしれませんが、やはりバブル時代(1980年代後半)にすでに社会人だった先輩方とは、大きくものの見方が違うのはわかります。

CSVのべき論を書かれたCSV解説本よりも、かなり現実的なCSV経営の本のように感じました。CSR担当者はもちろん、経営企画やマーケティングの部門の方にも読んでもらいたいと感じた経営書でした。

コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法

一橋ビジネススクールの「エグゼクティブMBAコース」で教える問題解決の定石から新時代での応用までが、この1冊で学べる。21世紀のバリューを創っていくのは、問題解決のプロではなく、何が価値なのかを、真善美の「善」に基づき判断できる人だ。
IQ重視のマッキンゼーとEQに勝るボスコン、世界の二大コンサルの問題解決の基本技とその限界を、マッキンゼーのディレクター、ボスコンのシニアアドバーザーを務める双方を知る数少ない存在である著者が、それらを超える価値創造の技術とビジネスの最新潮流と共に語る。
すでに語られ尽くされた感のある問題解決の定石の新たな活用法が豊富な事例とともに示される本書は、新時代の問題解決の教科書としてビジネスパーソン必携の一冊である。