ホワイト企業の選び方

今回の読書メモは『採用情報で見極めよ!「ホワイト企業」の選び方』(池内恵介、同文舘出版)です。特定社労士・中小企業診断士の筆者が、就活生にむけて、企業情報のどこを読めば「ホワイト企業」にあたるかを解説した本です。

昨今の政府の「働き方改革」もあり、今ではワークライフバランスを重視した就活・転職活動をしているという人も多いでしょう。

採用サイトは当然ながら、ネガティブな企業情報は出しません。でもそれらって、本当に“顧客本位”(ここでは就活生)の情報発信といえるのでしょうか。私は常々そのようなことを感じています。これはCSRでもHR領域でも同じ課題があるイメージです。

当然ながら、労働集約型と呼ばれるビジネスモデルの企業の場合は、業界的にホワイト企業の事例が少ないです。こういう業界特性もあまり表に出ない(知っている人はすでに知っているというのもある)です。

さて、私が一番学びがあったのは「企業情報の取り扱い」でしょうか。情報収集から収集データの見極め方など、現実的な視点がありました。筆者の大枠の主張には賛成で、要は「採用関連情報」以外も見ましょうと。

具体的には「IR」とか「会社概要」とかです。IRまでいったのであれば、CSRも紹介すればいのに…。「CSR関連ページ」に筆者の言いたい情報のほとんどが載っているのに、そこを指摘しないとは…。

士業の方々でCSRもしくはCSRに近い概念を知らない人が多いですが、ぜひCSRの概念を理解していただくと体系的にホワイト企業を語れるようになりますので、オススメです。

ホワイト企業に転職・就職したいと考えている方は、本書と合わせて、先日私がまとめた記事「【就活生必見】今“最もホワイトな企業”はどこか–各種ランキングから見る実態」には一覧リスト/アワードを掲載しましたので参考にしてみてください。

CSR担当者の方は、ぜひ本書を手に取り、人事部門と連携し、採用サイトやCSR報告書などへの情報開示を適切に行なっていきましょう。

「ホワイト企業」の選び方

目先の数字・条件に惑わされない! 最初に読むべき就活ガイド。志望する企業の労働条件・労働環境の実態をつかむ方法教えます。