ダイバーシティとマーケティング

いろいろありまして、ここ数ヶ月はLGBTカテゴリーの情報収集を積極的に行っています。

そんな中で読んだ今回の書籍は「ダイバーシティとマーケティング〜LGBTの事例から理解する新しい企業戦略」(四元正弘・千羽ひとみ、宣伝会議)です。

タイトルは「ダイバーシティ」ですが、中身はLGBTに関する話がほとんどです。で、本書の示唆からいうと、マーケティングよりは人事とか広報とかそちらのカテゴリーの業務のほうが学びがありそうです。マーケティングとはいいますが、まさに本書にあるとおり、相関関係と因果関係は異なるものであり、社内のコンテクストがないと、そもそもマーケティングに活かせないかもしれません。

全体的にドラッカーのマーケティング論を採用しているとのことでしたが、ドラッカーの必然性や整合性が微妙な感じは一部ありました。このあたりで、もう少し丁寧な解説があるとマーケティング本流の方々にも興味を持ってもらえたかもしれないと感じました。

シンクタンクの方とか哲学・雑学が好きな方はおもしろい本です。知識や具体的対応のヒントが欲しくて読む方には…。企画書などのヒントにはなりそうです。

CSR担当者はもちろん、マーケティング、人事、経営企画、広報、広告、などでLGBTに興味がある方にはオススメの書籍でした。

ダイバーシティとマーケティング

【目次】
はじめに ドラッカーで考えるマーケティングの基本と本質
第1章 ダイバーシティとはなにか
第2章 性的マイノリティ差別の背景と転換点
第3章 市民・政治の両面で進む性的マイノリティ支援の動き
第4章 LGBTマーケティング1〜LGBT当人を顧客に想定するケース
第5章 LGBTマーケティング2〜LGBTを社会運動のテーマとするケース
第6章 性的マイノリティとイノベーション経営
第7章 当事者から見たダイバーシティ・マーケティング参入の注意点
第8章 LGBT視点のマーケティング事例
第9章 改めて考える「ダイバーシティに企業やビジネスはどう向き合うか?」