CSRランキング

本日発売の『週刊東洋経済 2017年 3/4号』(東洋経済新報社)で、最新版の「CSR企業ランキング」が発表されたのでシェアさせていただきます。

「CSR企業ランキング」とは、2007年から行われている東洋経済新報社の「CSR企業調査」のデータを元に財務・非財務の両面を評価した、企業の総合評価のランキングです。

本記事ではトップ20まで紹介しますが雑誌では、詳しいランキング(300位まで)が載ってますので急ぎで確認したい方はそちらでどうぞ。業種別などのランキングもあります。例年通りだと、ひと月遅れ(3月下旬か4月上旬)で、ウェブにトップ700社程度のランキングとして掲載されると予想しています。

何はともあれ、早速ランキング上位企業をチェックしてみましょう!

■追記(2017年4月13日)
ウェブサイトでも発表されました。
「CSR企業ランキング」トップ700社 富士フイルム3年連続1位、ブリヂストン続く
「CSR企業ランキング」業種別トップ20

CSR企業ランキング2017

1、富士フィルムホールディングス(2016年の順位、1位)
2、ブリヂストン(3)
3、KDDI(7)
4、コマツ(3)
4、NTTドコモ(5)
4、キヤノン(9)
7、富士ゼロックス(2)
8、デンソー(6)
9、リコー(8)
9、花王(18)
11、味の素(24)
12、コニカミノルタ(50)
13、NEC(10)
14、ホンダ(12)
15、ダイキン工業(13)
16、村田製作所(26)
17、日産自動車(11)
18、クボタ(14)
19、積水ハウス(26)
20、アサヒグループホールディングス(20)

所感

今年のランキング上位企業は上記の企業でした。ランクイン企業の皆様おめでとうございます。不動のトップランナーもいますが、入れ替えもあって興味深い結果になっています。

東洋経済のCSRランキングは、財務状況も踏まえた総合的な企業評価なので、上位企業は「良い会社」である可能性が高いとされています。そういう意味では色々学びがあるとは思います。逆に、総合評価なのでどうしても大手製造業の企業がCSR/ESGの総合力が強く、非製造業や中堅企業の上位入りは難しい部分もあります。私がそういった企業のCSR関連報告書を読む限り、トップ100以上は難しいものの、トップ200以上くらいのレベルなら、1年あれば開示も活動も進められそうに思います。

ちなみに、どのアワードやランキングでもそうですが、ブラック企業なのに、不祥事を起こした企業なのに上位にくるのはおかしいという方々が一定数います。弁護するわけではありませんが、「情報開示の優等生」と「CSR実務の優等生」がイコールではないという文脈を考慮する必要があるでしょう。

さて、今回のランキングでは、トップ10の入れ替えはほとんどないのですが、花王(9位)は昨年18位からのジャンプアップ。素晴らしいですね。11位の味の素はトップ20圏外からの返り咲き、12位のコニカミノルタは50位から一気にランクアップ。

他のジャンプアップ企業は、セイコーエプソン(156位→29位)、住友ゴム工業(85位→36位)、日本電産(81位→49位)、横浜ゴム(132位→64位)、などなど。今まで以上にCSRに力を入れ始めたという噂を聞いていた企業もジャンプアップして100位以内にランクインしていたので、絶対はないものの、努力する企業が上位に上がっているようです。

もちろん、開示のレベルだけ上がって、基本的なコンプライアンス、コーポレートガバナンスの対応不備による不祥事を起こしていては意味がありません。ステークホルダーの信頼を獲得するために行われるCSR活動。身も蓋もないですが、ランキング順位だけではなくステークホルダーをより意識した事業活動が求められます。

関連データ

■2016年のランキング
1、富士フィルムホールディングス(2015年の順位、1位)
2、富士ゼロックス(4位)
3、コマツ(5位)
3、ブリヂストン(9位)
5、NTTドコモ(2位)
6、デンソー(3位)
7、KDDI(15位)
8、リコー(10位)
9、キヤノン(7位)
10、NEC(12位)
11、日産自動車(5位)
12、ホンダ(18位)
13、ダイキン工業(13位)
14、クボタ(32位)
15、JT(17位)
16、トヨタ自動車(8位)
17、信越化学工業(23位)
18、花王(27位)
19、三菱電機(28位)
20、アサヒグループホールディングス(16位)
東洋経済CSRランキング2016より引用)

■過去のランキング
東洋経済CSRランキング2016
東洋経済CSRランキング2015
東洋経済CSRランキング2014
東洋経済CSRランキング2013
東洋経済CSRランキング2012
東洋経済CSRランキング2011
※東洋経済の該当ページに飛びます。

■関連コンテンツ
東洋経済CSRオンライン
東洋経済CSRブログ

■関連書籍

※今年から「CSR企業総覧」は2冊なっていますので、どちらかを購入する場合は記載項目を確認してから買うと間違いなさそうです。

まとめ

予想通りといえば予想通りなランキングでした。あなたはどう感じましたか?

これらのCSR評価やランキングは国内唯一のものですので、CSR担当者は確実にチェックしておきましょう。さて、今から来年2018年のCSRランキングが楽しみです。今回のランキングを見て奮起し、下克上を成し遂げる企業がどれくらいあるのか。

なんだかんだいって、100位まではあまり入れ替えがありませんが、それ以下では圏外から一気にジャンプアップしてくる企業もあります。日頃からできるかぎり最大値のバウンダリまでCSR活動を広げて、PDCAをまわし、それらの情報整理をして積極的な開示を行う意識があれば、可能性はゼロではないはず。(これは予想ですので保証はしませんが)

確か、企業に配布される調査票は夏前だったと思うので、もう半年を切っているかなと思われます。ランキングに一喜一憂している暇があるなら、今回の反省を活かし、CSR活動実務のPDCAを含めて、今から対策/対応をしてみてはいかがでしょうか。