社会貢献活動

迷惑な社会貢献活動?

先日、社会貢献の本質に迫る気になる記事を読んだので雑感をまとめます。

プルタブ集めを巡る物語が絶望的なまでに『駄目な日本人のお話』で震え上がる

記事では「社会貢献のためのプルタブ集めって、実は意味ないらしいですよ」という話です。

この手の話は「手段の目的化」でもあります。本当は社会的インパクトが重要なのに、インパクトを生み出す手段に固執してしまい、社会に対して貢献できてないことに気づかないのです。あー残念。

本記事ではこのあたりの視点についてまとめます。

インパクトの波及先

プルタブ集めや、一時期話題になったペットボトル・キャップのリサイクル運動自体などのすべてが悪いとは言いませんが、そのスキームは現代的ではないといいますか批判が存在するのは事実です。気になる方はググってみてください。

そもそもペットボトル・キャップとかプルタブとか物理的なモノはかさばります。ということは、運送・管理でコストがかかります。運送では金銭的コストだけではなく、環境負荷もあります。1円のリサイクル料を稼ぐためにコストをどれぐらいかけているのでしょうか?

プルタブやキャップを集める人件費があれば、それで他の何かを生み出し直接寄付したほうが企業も業者も効率がよくなっていいですよね、って話もあります。

ただし、すべてが悪いことではありません。リサイクル活動を通じて選定者の雇用を生み出したり(雇用創出の機能)、企業の従業員が活動に参加し環境意識を高める(環境教育としての機能)などがあるのも事実です。

バランスが難しいんですよね。CSRではバウンダリ特定が重要といわれる所以です。自分たちの活動は、どのステークホルダーにどのようなインパクトを与えているのか知る必要がありますから。ここを知らなければ、誰かに迷惑をかけてしまう可能性が高い社会貢献活動を継続してしまうことになります。

「グリーンウォッシュ」問題も、手法は異なりますがこういったコンテクストがありますので注意が必要です。

参照:グリーンウォッシュ事例!CSRコミュニケーションの不信感を排除するための「10の基準」と「7つの罪」

価値ギャップ

良かれと思って行った社会貢献活動が、受益者以外のステークホルダーに負荷をかけている、ということはよく起きます。

Aという社会問題解決のためにアクションをしたら、Bという社会問題を生み出していた、とか。

例えば、東日本大震災の被災地に中長期にわたり書籍の寄付をしていたら、地元の書店を軒並み倒産させてしまい、地域経済へ多大な負荷をかけていた、とか。被災地でたくさんの清掃ボランティアが仕事を行い、結果、地元の方の清掃業務(町の有給の仕事)を奪ってしまい、経済的自立を阻害したとか。

今のはあくまで例ですが、色々考えることはあると思いますよ。企業は時に無知なゆえに、CSRとして様々なステークホルダーに迷惑をかけることがあります。これは担当者のリテラシーが低いからいけないのですが、現実問題として解決が非常に難しい。だって本人は「良いこと」をしているつもりですから。悪気がないだけ逆にタチが悪い。

さて、どうしたものか。

まとめ

CSR・社会貢献活動は、現場を必ず確認し、ステークホルダーのニーズを確実に把握する必要があります。でないと、今回紹介した事例のようなことが起きてしまいます。

今回の話から私たちが学ぶべきは、バウンダリと効果測定でしょう。自分たちのCSR活動が本当に社会・ステークホルダーの役に立っているのか検証しながらPDCAをまわす必要があります。

こういったギャップはすべて企業と当事者のコミュニケーション不足から発生します。エンゲージメントを行いながら、本当の意味で社会・経済の役にたつ活動をしていきましょう。そうでなければ、あなたの会社は、害悪でしかない最悪な企業の烙印を押されてしまいますよ!

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