CSR-PDCA

CSRマネジメントシステム「PDCA」

CSR活動における「PDCA」なんて、どこの会社でもしてますよね。

いや「していると“思い込んでいる”」という企業が多いです。CSRマネジメントシステムとしてのPDCAは、誰もが知っているフレームワークなのに、ほとんどの企業担当者が実践できていないように感じています。

今更ですが、CSR活動において超基本のマネジメント・プロセスなのできちんと復習しておきましょう。

大丈夫です。本記事をお読みいただき、今、御社で使っているPDCAサイクルをそっとブラッシュアップすれば良いだけですから。

先進企業のPDCA

CSR先進企業と、そうでない企業の差はたった1つしかありません。それは「CSR活動のPDCAをまわした回数の差」です。これは絶対。いや、世の中に絶対なんてないですけど、これは絶対です。

はっきり言って、世界でCSR先進企業と呼ばれる企業も1990年代に大型不祥事を起こして不買運動されて、痛い目見てから本気でPDCAをまわしまくって、2010年代後半には世界のトップクラスにきた、ということです。だからCSRを社内外で推進したいなら小さな失敗を積極的にしましょう。

CSR活動なんてそもそも短期的な経済効果は見込めないわけで、「結局、CSRってやったら儲かるの?」みたいな質問が日本の大手・上場企業の経営層が言っているのがおかしい。(といっても即効性のあるメリットもたくさんあるんですけどね、ここでは書きませんけど)

100%のリターンが見込めないとゴーサインを出さないっておかしいでしょ?

それをしてるから、競合から遅れるんでしょ。後になってあわてて、「これから急ピッチで進めていきます!」って……。そういう企業様からお仕事をいただいてるので(苦笑)、あまり大きな声では言えないのですが、日本社会の現実問題として存在します。だからこそ、僕としてもしっかり支援させていただき、きっちり結果出して、CSR支援をしていこうと思っています。

CSR先進企業と取組みが遅れている企業の絶対的な差は「スタート時期」です。10年前から少しずつでもCSRの取組みを行なっていた企業はPDCAの回数が比べ物になりません。今、国内外でCSR評価が高い企業に多いです。直近の数年間でどんどん評価(例えば東洋経済CSRランキングなど)が上がっている企業もあります。

女性活躍推進法が2016年4月から施行されていますが、ずっと前からダイバーシティ推進として、女性・障害者・外国人などの方々の採用・育成に力をいれてきた企業はラッキーだと感じた所もあるでしょう。

いずれ法律やそれに近い形のものになるのであれば、ちゃんとやるべきだと思うんですよね。逆にコストがかかるからCSR活動はやらないという企業経営者の気持ちがわかりません。(別に予算も時間もなくてもできるCSR活動もたくさんあります…)

CSR活動のPDCAサイクル

CSR-PDCA

こんな図はみなさん知っていると思いますが、意外に実践できてません。左上の「CSRの理解」がないのに、いきなり「P(計画)」から始めようとする企業が多過ぎます。順番逆やねん。

たとえば、CSR活動のPDCAサイクルの「P」の具体的な事例を紹介すると、以下のような項目があります。

【計画・組織構築】
・中期目標(ロードマップ)、全社/部署目標の設定
・年間活動計画策定
・推進組織体制構築
・マテリアリティ設定
・バウンダリー特定
・ステークホルダー特定
・リスクマネジメント対応

【情報整理】
・ToDoリスト作成
・評価計測ツールの作成
・市場調査/情報収集
・各種ガイドライン、ランキング、インデックス、調査の最新情報確認

あと、PDCAで重要な「A(改善)」も紹介しましょう。ここが弱い企業は多いです。

【改善活動】
・CSR活動の改善案策定
・来年度活動計画策定準備
・追加施策立案
・課題/問題点の抽出
・外部/内部評価の整理

【組織強化】
・組織体制/規定の整備
・他部門との情報共有
・活動予算の検討
・CSR報告書制作会社の選定
・コンサルティング会社の選定
・有識者/専門家アドバイス
・イニシアティブ参加の検討

PDCAの「D」、「C」は……おっと、ここからは有料です、すみませんね。でもこれだけでもわかる人には十分役に立つ情報だと思います。

まとめ

「PDCAなんかやって当たり前やろー!」と思っている担当者の方も多いと思いますが、外部の人間としてヒアリングをすると、結構、“穴だらけ”もしくは“ツッコミどころ満載”なことが多いです。

CSRのベテラン担当者(5〜10年在籍)は国内に数十人程度。ほとんどの企業は5年以内に別部門から移動してきた専門知識の浅い人が多いのが現実でしょう。そこに“やって当たり前”なんて存在しません。(一部例外があります)

CSR評価が高い企業は、このPDCAをとにかく“まわして”います。CSRにおける結果・成果を期待するなら“急がば回れ”の精神でPDCAサイクルの高速回転をしていきましょう。地味ですが、CSRをマネジメント(管理)したいと思うなら、とにかく動いていきましょう。