CSRにおけるコミュニティ参画

今回の読書メモは「協創力が稼ぐ時代」(笹谷秀光、Nanaブックス)です。気になっていた書籍ですが、入手しましたのでメモしておきます。

著者の笹谷さんは、CSR界隈では有名な伊藤園のCSR責任者の方です。本書以外にも書籍を出版しています。

で本書は、伊藤園のCSR/CSV事例の紹介もあるのですが、メインは「地方創生」です。個人的には「地域活性化」という単語ではないので好印象です。

第1章 「ご当地キャラ」と「食グランプリ」の活用術
第2章 自転車シェアに見る複合課題への対応
第3章 共有価値創造(CSV)戦略
第4章 「発信型三方よし」の提唱
第5章 まち・ひと・しごと創生への関係者の結集
第6章 地方創生で共有価値を創造する
第7章 「気づき」と「発信力」による地方創生
第8章 日本創生時代の「発信型三方よし」

内容は上記のタイトルの通りのものなのですが、官公庁と大手企業とのご経験から語られる視点には学びがありました。

結局、一言でいうと、CSR的には「コミュニティへ参画」の話ですね。ソーシャルビジネス的な側面もあるけど、フェランソロピーを含めてコミュニティへの貢献を、企業側にもメリットのある形でどのように作っていくか、という話だと感じました。

事例紹介はたくさんあるのですが、マネできる事例は少なく、もっとエッセンスをまとめていただけると、日本企業の地域貢献の必読書になったのになぁ、と。ちなみに、事例は国内がほとんどなので、グローバルなコミュニティ・エンゲージメントの話は出てきません。

CSR活動で、国内のコミュニティ構築(地域社会とのステークホルダーエンゲージメント)に課題を抱えるCSR担当者は必見かと思います。伊藤園のCSR事例やISO26000対応事例を知りたい方は、こちらより「CSR新時代の競争戦略: ISO26000活用術」という笹谷さんの書籍のほうがよいです。

協創力が稼ぐ時代

日本創生・地方創生はビジネスチャンスの宝庫! 企業人には、創生ビジネスで商機につなげるための「気づき」を! 自治体関係者には、民間の力を引き出し勝機につなげるための「気づき」を!
元官僚・現企業人の著者だからこその視点で、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をはじめとする日本創生・地方創生で「稼ぐ」秘訣をずばり解説。