CSR本

日本企業のコーポレートガバナンス

2015年6月からスタートした「コーポレートガバナンス・コード」。私たち日本企業はコーポレートガバナンスを通じ、どんな将来を描けるのでしょうか。

今回は「日本企業のためのコーポレートガバナンス講座」(藤田勉、東洋経済新報社)の読書メモです。僕はコーポレートガバナンスが専門ではないので、この手の書籍は勉強のために結構読んでいます。

書籍全体的に、簡単に歴史背景をまとめ、初心者レベルでも理解が進みやすいものとなっております。

企業経営(CSR)における「優れたコーポレートガバナンス」とは何か。結論の一つとしては、ステークホルダーの利益向上のための仕組み作り、なのかもしれません。

株主から資金を集め運用して赤字では、株主の利益にならないし、社会価値もほぼ生まれない。経済価値と社会価値を同時に創出することは、CSRであろうがなかろうが重要なポイントです。

「攻めのコーポレートガバナンス」なんて概念もあるようですが、(「攻めのCSR」って概念もあったような…)企業活動である以上、企業価値向上にどう結びつけられるか、そしてどのようにステークホルダー利益に貢献するのか。

ガバナンス構築により、説明責任を果たし透明性を高めることはCSRの情報開示で基本的な部分。このあたりの突っ込んだ考え方は、CSR報告でも役に立ちそうです。

もちろん、CSRについての解説もあります。他と同じく、背景や文脈も説明しながら、コーポレートガバナンスにおける、ステークホルダーと企業の関り方について説明されています。

ぜひ、「自分は担当じゃないから」で終わらせず、CSR担当者の方は、知識のベースとして読むことをオススメします。

日本企業のためのコーポレートガバナンス講座

形式的な欧米流改革では失敗する!コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コード、独立取締役やROE重視など政府主導のガバナンス改革にどう対応すべきか?何が変わるのか?理論・歴史・国際比較を踏まえ実効性のある改革を提言。