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CSRコンサルティングをして感じる2つの疑問

CSRコンサルティング

CSRコンサルティングの疑問

僕は「CSRコンサルタント」という肩書きで、CSR/CSVのコンサルティング業務や、企業連携をふまえたNPO/NGO支援をさせていただいています。

僕は他社のCSRコンサルタントたちほど、特定の思考・概念に傾倒してはいないと思っています。それは一長一短なのですが、そうは言っても、なんでもかんでもCSRではなくCSVと言い換えたがる方をみると、さすがにツッコミを入れたくなります。(他社の方には実際はツッコミませんが)

というわけで、ちょっと僕の思考整理を含めて、そのあたりの疑問をまとめてみます。

1、CSRとCSV的価値観

僕は、CSRのコンサルティングと、CSVのコンサルティングは違うと考えています。

CSVの話をする時には、リスクマネジメントの話はほとんど出てきません。ISO26000やGRIの話も出てきません。CSVは法律でも国際的なガイドラインでも何でもないですから当然。CSVはそもそもそういう戦略思考の話ですので、当たり前と言えば当たり前なのですが。

CSVという概念は今後の日本のCSRの一翼を担う非常に重要な概念です。CSR活動における、ある種の行き詰まりや頭打ち・マンネリなどを打破できる大きな可能性を持っています。

CSRは総合的な経営概念、CSVはマーケティングよりの経営戦略、というイメージでしょうか。だから僕はそこを一緒に語られると、気持ち悪く感じます。「CSRからCSVへ」という戦略とルールやガイドラインを並列で語るから、何かおかしなCSRの話になってしまうのかなと。

CSVを語るには、そもそもCSRをどう定義するのか、が非常に重要なポイントになるのですが、そこの文脈が弱い方が多い気がします。マイケル・ポーター氏らがどう言っている、は現場にはどうでもよくて、CSVの概念で自社の何にプラスになるのかを知りたいはず。僕はそういう所に疑問を持っています。

素晴らしいロジックなので出来る限り有効に活用したいですよね。

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2、NPO/NGOのCSR的価値観

CSRはソーシャルセクターの活動に近いということで、NPO/NGOのマーケティング支援や企業連携支援のお仕事をさせていただくこともあります。

「社会貢献活動をコンサルティングする」と「CSR活動をコンサルティングする」は全く別の言語を使います。例えば、NPOの方に、会社法改正やコーポレートガバナンスコード等によるCSRへの影響とか、GRIをメインにしたガイドライン対応の情報開示のアドバイスをしてもしょうがないですから。

NPOの方々は「自分たちへの寄付でCSRを支援します!」って言うけど、CSR実務の中でいえばごく一部すぎるし、寄付自体はCSRではないというのが世界的な解釈ですから、NPO側の人たちも、企業やコミュニティにどう貢献できるのかをもっと提示すべきなのだと思います。

ただの「何か社会的に良い事」は基本的にCSRではないということを、まずNPOの方々にわかってもらうのが、企業NPO連携支援のスタートだったりするくらいです。

逆にいえば、だからこそそのコーディネータとして僕がお仕事をいただけるというのもありますが、「CSR」という単語の解釈のギャップは、セクターを超えると大きくなるんだな、と今更ながらに感じている今日この頃です。

このあたりのCSRの考え方のギャップは疑問というか、僕のアドバイスにおける課題ともいえます。

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まとめ

CSRコンサルティングも、CSVコンサルティングも、NPO支援も、一つの支援形態でしかありません。

一応、CSR推進団体やCSV推進団体などが、CSRやCSVのコンサルタント資格(認定)を行なっています。CSR支援をしている人間だけではなく、CSR担当者・関係者などは受講してみるのもよいでしょう。

なんか僕のボヤキっぽい感じなってしまいましたが、CSRの思考やスタイルにもダイバーシティを持って取組み、特定の概念に引っ張られすぎないよう活動するのがベストなのかもしれませんね。



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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]