アメリカにおける企業寄付と、日本のメセナの実態

企業寄付

企業寄付とメセナ活動

あなたは「企業寄付」と聞いて、どんなものをイメージしますか?

今回は、企業寄付とメセナのデータを紹介します。

ちなみに「メセナ」とは、企業が資金を提供して文化、芸術、スポーツなどの慈善活動支援をする取組みのこと。フィランソロピー活動として、1990年代から2000年代まで主流となった企業の社会貢献活動です。

世界トップのアメリカの寄付事情

Giving USAの調査によると、2013年におけるアメリカの寄付金総額は3,352億ドル (対GDP比2.0%、35.2兆円 )で、1973年の1340億ドル(実質)と比べて、2.5倍にまで増加した。1974年から2013年までの寄付金の対前年度増減率は平均2.5%で、GDPの対前年度増減率2.1%を上回っている。
アメリカにおける寄付の相当部分は個人(87%)により賄われており、寄付金の配分先としては宗教団体が31%で最も多く、次が教育機関(15.5%)、社会福祉団体(12.4%)、財団(10.6%)の順であった。
アメリカにおける寄付金総額の内訳を見ると、個人寄付が2,406億ドル(71.8%)で最も多く、次が財団寄付(490億ドル、14.6%)、遺贈寄付(277億ドル、8.3%)、法人寄付(179億ドル、5.3%)の順で あった
アメリカにおける寄付や寄付年金の現状~どうしてアメリカ人は巨額の寄付をするのか?:基礎研レポート

このレポートを読むと、企業寄付って全体の5%なんですね。結構少なく見える。とはいえ、それでも日本の企業寄付の何倍だよって話なんですけど…。

ちょっと前のデータですけど、内閣府の「寄附金に関する日米英の状況」によれば、2010年の寄付総額は、「日本:8,804億円」、「アメリカ:25兆5,245億円」、「イギリス:1兆4,914億円」だそうです。ふーん。

アメリカはダントツトップの寄付大国なので日本との差はありますが、日本の企業寄付は今後増えるのでしょうか?僕はアメリカみたいに、個人寄付のほうが可能性あると思います。CSVとか流行っていて、売上の一部を寄付する「富の再配分」形式は難しい印象。有名社長の億単位の個人寄付は今後増えそうですけど。

というわけで、日本の寄付や社会貢献の王道「メセナ」についてもわたくし調べてみました。

企業のメセナ活動

まず、企業メセナ協議会の「メセナ活動実態調査」(2014年度)の最新データから確認しましょう。以下に今回の発表データの要約を。

・企業と企業財団によるメセナ活動の総件数は3,000件以上
・メセナ活動費総額は約956億円
・メセナを行う目的の第一位は「芸術・文化支援のため」(84%)
・メセナの担当部署の第一位は「CSR関連部署」(18%)
・効果は「地域社会との関係作り」、「イメージ向上」、「顧客との関係作り」など
・対象分野の第一位は「音楽」(39.7%)
・メセナ以外の活動も行っている企業は81%
参照データ:2014年度「メセナ活動実態調査」|企業メセナ協議会

個人的には、CSR担当者の方との会話でメセナという単語があまり出てこないので下火なのかなと思いきや、1000億円近くの規模があるんですね。

僕が注目したのは、メセナの効果ですね。ISO26000でも「コミュニティへの貢献」という項目もあるし、戦略的フィランソロピーというか、非常に戦略的な寄付となっているようです。CSR活動のすべてをCSV的な発想で取り組むことはできないし、非常に良いことだとは思います。

税金面(損金算入、節税、控除)などもあるのでしょうかね。面と向かってそれをメリットにあげる企業はないと思いますけど。税制上の優遇処置に関して詳しく知りたい方は内閣府の「寄附について」で確認してみて下さい。

他には「メセナアワード2015発表」という記事も参考になると思います。

まとめ

CSVがどんなに流行っても、企業寄付自体が非常に価値のあることだし、メセナ事例をみるとメリットもあります。

要は、「どんなCSR活動が良いのか」という自社の判断基準をどこに置くのか、ということでしょう。企業の寄付戦略というか。というわけで、CSR担当者のあなたが企業寄付を考える時のヒントになれば幸いです。以下の関連記事も合わせてお読み下さいな。

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