日経CSR経営調査ランキング|環境経営度調査

先日、日経の2015年版「環境経営度調査」が発表されましたのでシェアします。

2014年版は「日本は世界のCSRランキング・CSRインデックスで生きていけるのか」という記事にまとめていますのでご参照下さい。

「環境経営度調査」は、企業の環境経営を総合的に分析し、温暖化ガスや廃棄物の低減などの環境対策と経営効率の向上を、いかに両立しているかを評価する調査。各企業のアンケート結果を基に「環境経営度スコア」を作成し、ランキング形式で日本経済新聞および日経産業新聞に発表しています。

CSRとは何か、と考える時に、どこまでいっても環境活動の話は避けられないですよね。ESGは企業評価の基本ですし。

環境経営度調査2015

第18回「環境経営度調査」の企業ランキングが発表され、製造業では3年ぶりにトップが交代し、コニカミノルタが初の首位を獲得しました。主力の複合機で部品調達先との省エネ・廃棄物対策やリサイクル素材の使用に取り組むなど地道な環境対応が評価され、5つの評価指標でまんべんなく高得点をあげました。2位は前回まで2年連続でトップだった東芝と前回15位のキヤノンが分け合いました。東芝は2位に後退したものの、「温暖化対策」で最高得点をあげるなど、各指標で高水準を維持しました。キヤノンは温暖化ガス排出量の製品表示などに積極的に取り組んでおり、スコアも前回より15ポイントアップしました。

評価指標は製造業が(1)環境経営推進体制、(2)汚染対策・生物多様性対応、(3)資源循環、(4)製品対策、(5)温暖化対策の5つ。数値は差があるので、スコア化し、ランキングしています。建設業は製造業に準じ5指標で評し、非製造業、電力・ガス業は「製品対策」を除く4指標で評価しているとのこと。

この調査では、「製造業」と「非製造業(他業種)」とわけられていて、いわゆるメーカーの環境経営度評価というイメージ。そして、1位のコニカミノルタは環境経営を標榜し、色々なアクションをしているので、有言実行が評価されたと言えます。

環境以外のCSRランキングでもトップランカーとなる企業も多い印象。トップのコミットメント度合いが他社とすでに異なっているということなのかも。

上場と非上場の有力企業の726社の有効回答だそうです。2487社に調査票を送っても、半分も返ってこないんですね。メーカーで、環境部門がある企業はいいですが、CSR担当者が対応するとなると中身的にもリソース的にも難しいでしょうね。

「環境経営度調査」報告書・集計表データ・ベンチマークレポート・評価サービス

環境経営度調査2015・トップ10

1位、コニカミノルタ
2位、東芝
2位、キヤノン
4位、トヨタ自動車
5位、日産自動車
6位、デンソー
7位、住友電機工業
8位、コマツ
9位、ホンダ
10位、パナソニック、富士フィルムホールディングス、ケーヒン、キヤノン電子、YKK

非製造業では、「小売り・外食」でイオンリテール、「金融」で損保ジャパン日本興亜ホールディングス、「運輸」で日立物流、「通信・サービス」でNTTファシリティーズ、「倉庫・不動産・その他」でヒューリック、「商社」で三井物産、がそれぞれ1位となっています。

3位キヤノンの、「複合機の部材調達から生産、使用、廃棄までで排出するCO2を、キヤノンが持つ排出枠で相殺するサービス」という国内初のサービスは非常に興味深い取組みです。詳細をまだ確認していませんが「カーボンオフセット付き・複合機」というポジションなのでしょうか。

メーカーだったら、このアイディアはかなり参考になるのかもしれませんね。

まとめ

環境経営度調査は環境対策と経営を両立させている企業を評価しています。

事業プロセスにおける環境負荷を下げるのはもちろんのこと、いわゆる「ソーシャルビジネス」的に、環境配慮型の商品・サービスの販売が評価されるみたいです。

各社の取組みを、そのまま他社がマネできることはできないと思いますが、環境ビジネスとしても参考になると思うので、ぜひ詳細をチェックしてみて下さい。

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コニカミノルタ首位 環境経営ランキング、本社調査

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