社会貢献型投資・インパクト投資のトレンドと、マーケットの市場規模(2014)

社会貢献債

社会貢献型投資・インパクト投資のトレンド

社会から企業、企業から社会。世界のお金の流れが、ソーシャルマインドの色をまとって、社会変革のきっかけになりつつあるようです。

社会貢献債、ソーシャルインパクトボンド、インパクト投資、グリーンボンド、社会的インパクト債権、公共ファイナンス、インパクトインベストメント。

このあたりのワード、ちゃんと理解していますか?ちなみに僕はよくわかっていません(苦笑)だって似たような表現が多すぎるんですもん。

このあたりは詳しくないのですが、今後、CSR領域(SRIによるESG評価)にも色々関わってきそうなので、メモも兼ねて、最新の話題をまとめます。

投資といえば、「世の中、金だ!」みたいな、ハリウッド映画のような世界を思い浮かべる僕ですが、投資の世界の一部では社会貢献がコンセプトになっているものもあるとかないとか…。

社会貢献型投資で企業を支える

発展途上国支援や環境保全事業などに投資する外貨建ての「社会貢献債」の販売が好調だ。お金の使い道が決まっていることから、社会問題に関心の高い個人投資家の関心を呼び、超低金利が続く中、国債や社債と比べて高い利回りにも注目が集まっている。
社会貢献債:「役に立ちたい」気持ちと高い利回りで人気

毎日新聞でこんな話題がありました。大和証券や、野村証券の社会貢献債について解説している記事です。

個人向けの社会貢献債は6年前に日本で売り出され、証券各社の販売総額は6月に1兆円を超えた、とのことですので、一定のマーケットは確立しつつあると見ていいのでしょうかね。

欧米では、地球温暖化が深刻化する中で環境に配慮した企業に融資する「グリーンボンド」を中心に投資額がここ数年急増しているが、日本での知名度はまだまだとのこと。

ちなみに、世界のSRI(社会的責任投資)の市場規模は13.6兆ドル程度とされています。ちなみに日本は100億ドル程度。世界市場の0.1%にも満たない規模感なんだそうで。(参照:世界のSRI(社会的責任投資)市場は13.6兆ドル、シェアは22%に。日本はここでも出遅れるのか?

ダブルボトムライン

D(ダブル)、B(ボトム)、L(ライン)の3文字を社名に冠したDBLインベスターズは「利益」と「社会貢献」という2つのボトムライン(損益計算書の最下行)を両立させようとする。そんな発想は10年前でも人々の間で反発を買ったらしい。まずは投資で儲けて、その利益を善行に回せと言われたそうだ。
「社会貢献は儲からない」って誰が言ったの?-社会貢献型企業支える女性投資家

ナンシー・ファンド氏の社会貢献型企業への投資をまとめた記事です。

まずは投資の利益を見る。しかし、最終的な決定は社会的なインパクトを最大限考慮する。投資の受け手となったテスラのイーロン・マスク氏もその手法におおいに賛同しているそう。

社会貢献というと、企業からNPO(社会)へのお金の流れをイメージしますが、ファンドや社会から企業へという社会貢献要素の強いお金の流れもあるんですね。

日本でもインパクト投資の話が盛り上がってきていますが、こういう流れはもう少し先の話になりそうです。

インパクト投資

G8インパクト投資タスクフォース」という国内諮問委員会が今年本格的に動き出しており、インパクト投資についての提言をしています。知人も多く、今後の活動に期待しています。

「インパクト投資」とは、教育や福祉などの社会的な課題を解決しながら経済的な利益も生み出す投資行動です。寄付でも従来の投資でもない、社会課題解決のための新たな資金循環を生む新たな取り組みとして世界的に注目を集めている、とのこと。

「ソーシャルインパクトボンド」についてもふれているようです。僕がまとめた「期待の金融商品!? 社会貢献型投資「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」」という記事もご参考までに。あとは、みずほリサーチの「ソーシャルインパクトボンド」(PDF)もよい資料だと思います。

これらの話って、CSR的な話題のSRIとはちょっと違うのですかね…?日本で語られているものは、企業に対するものはないというかESG評価うんぬんというものでもないようで…。

ですが、一般市民がまず何をすればいいかは、僕にはよくわかりません。とりあえず、資料「G8 インパクト投資タスクフォース報告書」(PDF)をご覧下さい。

社会的インパクトを目指し、配当は最優先にしない

雇用創出や環境保護といった社会的課題の解決につながる事業への投資を指す。欧米を中心に広がり、市場規模は世界で年間4兆円。日本でも社会貢献への関心の高い富裕層や若者が注目し始めた。
インパクト投資では、お金の出し手は貧困や教育、福祉といった分野の社会課題解決という「社会的インパクト」に重きを置く。配当金も期待するが最優先ではない。純粋な投資と慈善目的の寄付との間を行く「第三の道」だ。
社会を良くしたい 「世直し」投資、じわり広がる

もともと、イギリスのキャメロン首相がインパクト投資の旗振り役を務め、導入や普及が始まったという起源があります。記事によれば、世界では年間4兆円に達するインパクト投資、でも日本では累計でわずか約250億円だとか。

こういう投資方法もあると、地道にPRしていくことがまずは重要なのかもしれませんね。会員限定記事ですが、以下の日経の記事も参考になります。

私もできる世直し貢献 1500兆円…社会的責任投資の規模

まとめ

いかがでしたでしょうか。

インパクト投資は、企業としてどうこうできる、という話ではないようですが、一部でESG評価が加わるようなので、やはりESGまわりの情報開示はより重要になってくるんでしょう。このESG評価やSRI関連の話は、いくつか新しい情報も入ってきているので後日まとめたいと思います。

こういう話題を見て思うのは、やっぱり社会を変えるにはお金の流れを変えることなんだと、改めて考えさせられます。日本でもまだまだ課題も多くすぐ普及とは言えないようですが、臨界点を超えた時の爆発力は期待できると思うんですけどねぇ。

ちなみに、投資家の社会貢献活動としてこれらの取組をする、というわけではないようです。

世界はもちろんのこと、日本もたくさんの社会問題がある中、解決の大きな糸口になってくれればいいですよね。ESG情報開示より、ソーシャルビジネス的なものが評価されている印象もありますが、どうなんでしょうね。

一般市民としては、来年・再来年と盛り上がってきた時に、何かしら参加できる部分があると思うので、みんなで注目して行きましょう。もちろん、CSRにも関わる部分もあるので、CSR関係者の方も要チェックです。

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