レジリエンスの経営とリーダーシップを学ぶ本「未来企業」(リンダ・グラットン)

レジリエンス

未来企業-レジリエンスの経営とリーダーシップ

今回の読書メモは、「未来企業-レジリエンスの経営とリーダーシップ」(リンダ・グラットン、プレジデント)です。

先日「企業CSRはレジリエンスで強くなれるのか?」という記事で、本書を紹介していたのに、読書メモを書いていなかったのでこちらでまとめます。

本書のイメージは、アカデミックではない、CSR経営の解説書といったところでしょうか。CSRというワードや専門的なCSRの話は皆無にも関わらず、企業のあるべき姿から、社会との関わり方など、CSR経営そのものを非常によく解説していると思います。
僕も次の書籍を書くならこういうふうに書かないとダメだな…。色々勉強になります。

「CSRとは何か」みたいな本もいいのですが、実務者である企業経営者(トップ、役員層)は、CSRを語る前に本書を読み、自分の胸に手を当てて自分たちが今までしてきた事業活動を反省すべきでしょう。

特筆すべきは、まとまりごとにある「まとめ」でしょう。斜め読みしたくなるようなボリュームにも関わらず、まとめが思考を整理する役割作ってくれています。こういう書き方いいな。次回作の僕の本もこういう風にしたいな…。

グローバル・イシューへの対応、リスクヘッジ、従業員の働き方、企業倫理などなど。彼女のメッセージは示唆に富むものばかりで、いちいち納得してします。コーズマーケティングの勉強にもなる本・書籍です。

なぜ、日本に彼女のようなソーシャルな視点をもち、組織論の池上彰さんのごとく、わかりやすく、ソーシャルな企業経営に明るい人がいないのか。これは非常に残念でならない。

壮大な領域だけに、オピニオンに終始しがちな本が多いですが、この本は違った。今の所、2014年のNO.1作品。CSR担当者だけでなく、会社の規模に関係なく経営層に読んでいただきたい本です。

最後にレジリエンスについて補足説明と引用を。レジリエンスとは「回復力・適応力」のこと。「負荷がかかって変形したものが、元の形状に戻る力」と本書では定義されています。

CSR界隈やソーシャルセクター界隈でも使われるようになってきたワードです。このあたりのニュアンスとか意味合いを本書を通じ学ぶと良いでしょう。事例が多いのもいいっすね。

メインテーマである企業のレジリエンスについては、「3つの領域」で考えています。企業の中核になる1つめの領域が、従業員が知性と知恵を増幅し、精神的活力を高め、お互いの結びつきを深める事ができるような職場環境です。
企業のレジリエンスは、社外でも試されます。地域のことを考え、サプライチェーンの末端まで配慮した活動が2つめの領域におけるレジリエンスを形成します。
もっとも外側にある3つめの領域におけるレジリエンスは、企業がその資源や能力を活用して若者の失業問題や気候変動といったグローバルな課題に取り組むことによって実現されます。

未来企業-レジリエンスの経営とリーダーシップ

世界はいま、数々の深刻な問題に直面している。若年層の失業、根深い貧困、エネルギー・環境問題など、どれも一国、一地域で解決できるものはない。これまでグローバルな大企業は諸問題の根源とも批判されてきたが、いまこそ知識、技術、ネットワークを有効に生かして「解決者」の役割を担うべきである。

組織、地域、世界のレジリエンスを高めるための経営のあり方とは? そのために不可欠な新しいリーダー像とは?「働き方の未来」研究における第一人者の著者が、希望を感じさせる企業の取り組みを紹介しながら、経営者も従業員も自らの仕事に心から誇りを持つことができる「未来企業」の姿を描く。

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