理念経営

「理念経営–その強さの裏にあるもの」(ダイヤモンド経営者倶楽部)の読書メモ。

僕は、CSRとは何かと常日頃から考えておりますが、最近しっくりくるのが「理念経営」というワード。

つまり、CSRは結局、経営者のコミットメントの高さでその質が問われてくる気がしています。

トップが、「なんとなくCSRやろうぜ」みたいな企業のCSR活動は、中身も「なんとなくな感じ」なことが多い印象があります。CSR報告書は「トップ・メッセージ」が一番重要という人が多いのも、その空気を感じているからでしょう。

書籍等にピックアップされる企業の理念(クレド含む)には、少なからずCSR的な要素が含まれています。ステークホルダーとの関わりが明示してあるんですよね。

本書の掲載企業は、理念やクレドという形で明文化され、それを浸透させる努力や仕組みがあることが特徴です。やはり、言葉にしなければ、伝わりませんが、言葉にしたからといって長い文章は覚えられないし、“で、結局何が言いたいの?”みたいになってしまいます。難しいですね。

CSRは、信頼される企業になるためのガイドラインでもあります。本来は、理念の中や、中長期の経営計画の中にCSR項目が含まれるべきなのかもしれません。

最近は科学的経営みたいなものがもてはやされ、戦略が企業の中心みたいな志向性もありますが、本書の指摘にもある通り、理念こそが企業の最上位概念である、と僕も思います。理念なき戦略に未来なし、です。

本書に出てくる50社は、必ずしも世間一般の著名な企業とは限りません。だからこそ、読み物として面白いというのはあります。会社の規模は関係なく、CSR関係者や企業経営者の方々によんでもらいたい本だと思いました。

理念経営–その強さの裏にあるもの

新たな時代に対応し、永続的な企業を作るため、「経営理念」「経営ビジョン」の重要性が最近あらためて見直されている。理念・ビジョンを高く掲げ、自らの経営スタイルを貫く企業経営者から50名をクローズアップ。

掲げている理念やビジョン、クレドの内容、そこに込められた思い、構築の背景、そして具体的な浸透策や、社内制度、教育制度など、それぞれのリアルな取り組みを幅広くご紹介。各社の個性、また根底に流れる共通のテーマ、普遍的な施策など、具体的な事例をさまざまな角度から紹介する。