人材育成からみるホワイト企業

「ホワイト企業–サービス業化する日本の人材育成戦略」(高橋俊介・PHP新書)の読書メモを。

人材という視点から、ホワイト企業になるためのノウハウが書かれている書籍でした。

個人的には、「最近の若者は」的な書かれ方に若干違和感があるものの、企業価値を高めるための人材戦略といいますか、先進事例を含め、様々な視点からホワイト企業について書かれてます。

CSR関係者からすると、若干求めていたものと違う書かれ方ですが、CSRのトレンドでもある人材領域に対する話は非常に興味深く読ませていただきました。

政府機関もホワイト企業の実質認証の動きみたいなものもありますし、ブラック企業が公的機関に名指しで警告される日も近いと思われ、このホワイト企業を目指すという姿勢そのものが、今後重要になってくるとしています。

あとは、ホワイト企業の指標化でしょうね。

CSR活動もそうなのですが、活動によって企業にどれだけメリットがあるか、つまり企業価値向上に貢献しているかというKPI(重要指標)設定がとても重要になってきます。

企業イメージ(レピュテーション)はすぐに変わるわけではないので、ただ「ホワイト企業になるぞ!」ではなく、まっとうな経営をし、より多くの人を幸せにできるような企業が増えればいいですよね。

CSR関係者というより、人事・総務などの方にオススメな書籍かと思います。

ホワイト企業

日本企業の雇用の質が、著しく劣化してきている。ピラミッド型組織におけるタテ型OJTは崩壊し、ローテーション人事はもはや通用しない。人を育てず使い捨てにする会社は「ブラック企業」と批判され、仕事にやりがいを見出せない若者は3年で退職してしまう…。そんななかでも、20代が辞めずに生き生きと働く企業はたしかに存在する。スターバックスジャパン、サイバーエージェント、ベネッセ―いったい何が違うのか。人事・組織論の第一人者が、現代の日本企業が抱える問題点と、その対策を解き明かす。難しい時代に対応した人事モデルを提供する、人づくりの教科書。