先に謝る、というCSRコミュニケーションは可能か?

まず、あなたに質問です

あなたが100人の従業員を抱える企業のトップだったとしましょう。あなたは会社が倒産するくらいのインパクトのある不祥事を起こした場合、その情報をリリースできるか否か。

レピュテーションリスクマネジメント(企業の評判管理)から言うと、事実確認でき次第早急に発表しなければならないです。嘘や隠蔽はいけない。しかし、発表に対するインパクトとして、株価暴落、株主からの批判、信用損失、様々な事が想定されます。継続取引のある企業も離れていくでしょう。

売上げが極端に落ちれば、従業員100人の雇用確保はできないでしょうね。雇用安定もCSRといえば、CSRには違いないです。

さて、あなただったら、自分から発信するか、時がたち誰かに指摘される(バレる)まで公表しないか。

コミュニケーションの意義

言うべきか、言わざるべきか。

CSRコミュニケーションにおいて、非常に重要なポイントです。ステークホルダー(主に社外の方)が言うほど、マイナス情報発表は簡単ではない。

特に上場会社は、おいそれと非を認めるわけにいかない。しかし、嘘はいつかバレるもの。今年でもそのガバナンスが問われた案件が複数ありました。犯罪に近い企業活動が、いつまでも隠し通せると思っていたようですが、そうはいきませんでしたね。誰かに指摘される前に発表すべきでした。

これらの教訓から学ぶに、やはり他者に指摘される前に、自ら言うべきということでしょう。細心の注意を払い、何度もプレスリリースを推敲していく。

もちろん、問合せがあった時に備えて、諸々の社内体制も整えておく。全取引先に数週間以内に面会のアポイントを取り、電話でなく対面で、丁寧に謝罪する。コミュニケーションとして、自ら先手先手のアクションをしていく。他者に指摘される前に、「謝る」。そして、改善策を提案していく。

国際規格ではどうなっているか

ちなみに、SR/CSRの国際規格ISO26000では、説明責任の章でこうあります。

「自らの決定及び活動が、社会・環境及び経済に及ぼした影響、特にそれらがもたらした重大なマイナスの結果に対して、説明責任を負うべきである。説明責任には、不正行為の責任をとること、また適切な処置をとり、繰り返さないよう予防するための行動をとることも含まれる」

非常に当たり前といえば当たり前な解説があります。しかし、冒頭にも書いた通り、会社が破綻してしまうような情報を外に出す勇気は並大抵ではありません。

起きてしまった事故・不祥事に関しては社内含め、いつか公表しなければなりません。リスク・コミュニケーションといいますか、日頃からの予防、関係者間のコミュニケーションの合意形成はしておくべきです。

仮に従業員数が2人の会社であろうとも、その方法論だけは周知すべきです。大手企業であれば、マスメディアに謝罪広告という方法もありますが、中小零細企業はWebを中心としたメディアが、情報公開メディアとなるでしょうね。

具体的な方法論はさておき、社内の主要メンバーでいざという時の簡易マニュアルくらいは作成しておいたほうが良いみたいです。また、担当(責任者)も決めておくと良いでしょう。

もし「万が一」が明日来た時、あなたの会社は対応できますか?

事例紹介:誠心誠意のCSRコミュニケーション事例!ミニストップ「フェアトレード認証バナナが消えます」

※CSRジャーナル
より、修正・加筆をし掲載。

PHOTO by PAKUTASO


執筆者安藤光展/CSRコンサルタント
1981年長野県生まれ。CSR/SDGs経営の専門家。著書は『創発型責任経営-新しいつながりの経営モデル』(日本経済新聞出版社、共著)ほか多数。日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」主宰。

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安藤光展のプロフィール
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