CSR評価とは“誰が誰を”評価したものであるべきか

CSR評価

CSR評価とは誰が誰を評価したものであるべきか。今回はCSR評価について、先日とあるCSR勉強会に参加し、色々感じた部分をまとめておきます。

CSR評価とは文字通り、CSRの評価の事。各種CSRランキングから、CSR系インデックス(CSRにおける指標や格付け)などの第三者評価のことを通常指します。

調査会社各社が発表するCSR関連ランキングなどは、企業のCSR活動における唯一効果測定できる指標とも言われており、大手企業はそれらのランキングにどうやって入るかということに躍起になっている節も否めません。

CSRランキング、CSRインデックスなどのCSR評価の具体的な事例は以下の記事を参考にしてみて下さい。

CSR企業ランキングの総集編! CSRランキング・アワード26選[2013年版]
CSR格付け・CSRランキングは、健全なCSR活動を阻害しているかも

CSRとはそもそもどうあるべきか

勉強会メモ

企業価値をどう見せるか。CSR調査のためだけに数字を集めるのは大変 →社内的なインパクトをどうつなげられるのか。どこのCSRアンケートやCSR調査に答えるのがいいのか。CSRセミナーはケーススタディばかり。体系化したノウハウが必要。

企業の投資先としてのNPO。社内の人材育成をCSRとするにはどうすべきか。法令だけでなく、行動規範(ステートメント)も重要視する。CSRで企業の未来を予測することはできるのか。CSRステートメントを含めた理念体系をどう浸透させるか。

CSR関連のデータをどう評価するか。非財務情報にどう価値づけするか。CSR評価のフィードバックはどうなるのか。統合報告は、CSRが負けIRが勝った結果である?企業のCSR報告は、消費者や取引先より株主・投資家を重要視し始めている?

CSR評価について

何度かお会いした事がある、Sさんが言っていたのですが、「CSR報告書」のコンバージョンが悪い、と。

要は、アニュアルレポートを中心としたIRは明確な目標である「株主へアプローチ」があるわけです。もっと、投資しろと。

しかし、CSR報告書は読者に対して、して欲しい行動が明確ではないことが多いです。CSR報告書を読んでもらい、読者に期待する行動がないんです。だから、統合報告という、財務情報と非財務情報を合わせたレポートができるのだと、と。

僕が見聞きするに、CSR報告書・PDF版のダウンロード数すら計測していないとか、アホな企業も沢山あるようです。だったら、CSR報告書自体には何も期待せず、説明責任果たして終わりか、そもそも発行止めればいいのに。

統合報告みたな流れをみていると、IRは明確な目的があり、企業活動としての価値が高いので、CSR報告書が吸収合併された感じですね。CSR報告書は、単独では必要ないと。

CSRは盛り上がってきているとは言われるが(事実そうだと思うけど)、報告書単位で言えば、CSR報告書はもう下火になっているのではないか。少なくとも、現在の年間2千社弱といわれるCSR報告書発行数で頭打ちなのかもしれない。

様々な枠組みが出来た結果、CSR報告書はその役目を終え、IRやコーポレート・コミュニケーションへ概念が吸収されている現実もあるのです。

これを、CSR報告の進化というのか退化というのかわかりません。CSR報告書の大きな課題は、まだまだ多くの企業に存在し、そのインパクトを結果結びつけられていないであろう現実を感じています。

有名CSR格付け「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックス)」の模範解答の3つのポイント
ランキング入りは環境活動が重要?東洋経済2013「CSR総合ランキング・トップ700」

CSRの評価は誰がするのか

当たり前ですが、CSRを行うのは企業です。で、そのCSR評価は誰がすべきなのでしょうか。こちらも当たり前ですが、企業以外の第三者ですね。

で、企業のCSR担当の方は思うのです。第三者にどうやって評価されたいかと。だから第三者が評価しやすい様に、CSR報告を整えていくのです。この考え自体は素晴らしいのですが、問題はここ。

“評価されるためにするCSR活動とCSR報告”は、そもそも社会にとって有益なのだろうか、という点です。

顧客とのCSRコミュニケーションでいえば、「フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)」とか、「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックス(DJSI)」とか、BtoCの企業には対して意味ないでしょうからね。

様々な調査機関が取るアンケートの数字などは、それぞれ異なっていたりします。特に評価されたい調査の想定項目のCSR活動を重点的にするようになります。

で、CSRの定義の「企業が社会に与える影響に責任を持つ」という大命題は果たせるのでしょうか?

CSRに結果を求めるあまり、目線は社会から調査機関にうつってしまう。逆に、意義があっても、わかりやすい結果につながらないCSR活動はどんどん縮小されていく。なんてこともあったりなかったり。

なかなか悩ましいことではありますよね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

とにかくCSRにおける課題は、何年も同じなのだと、勉強会に参加して改めて認識しました。

つまり、「効果測定ができない」という課題です。いつも言いますが、当たり前です。だってそもそも、CSR活動が“効果測定ができる業務プロセス”で行われていないのだから。

それはさておき、企業が解決すべきCSRにおける課題はフェーズによっても異なります。

大手だろうが、零細・中小・中堅企業だろうが大きな課題である「CSR活動における効果測定」は存在します。

この課題は、未来永劫解決されないのか、それとも、CSRの効果測定プロセスを体系化・理論化し、日本企業すべてに使えるフレームワークが生まれるのか。

この勉強会で、僕なりの“CSRのその先へ”行くための答えを探していこうと思います。勉強会はオープンにできませんが、気付きは毎回メモがてら共有させていただきます。


執筆者安藤光展/CSRコンサルタント
CSR/SDGs経営の専門家。著書は『創発型責任経営-新しいつながりの経営モデル』(日本経済新聞出版社)ほか多数。日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」主宰。1981年長野県生まれ。

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CSR/サステナビリティ情報開示を専門とし、経営戦略にまで踏み込んだコンサルティング型の支援を行なっています。成果にこだわる情報開示をお望みの方、情報開示のコストの削減/効率化を目指す方、是非「お問い合わせフォーム」よりご相談ください。また、CSR支援会社様の業務パートナーとしてのご相談もお待ちしています。

安藤光展のプロフィール
情報開示の第三者評価
研修/講演依頼

CSR/サステナビリティに関する勉強会を主宰しています。これからCSR推進活動をする初級担当者、他社担当者と情報交換したい方、組織のCSR評価を一段階上げたい方、などにおすすめです。

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