CSRとしての寄付と税制控除

先進国は税金を軽減してでも富裕層の寄付を誘導している。そんな話題を耳にしたので、僕なりのまとめを。

米国・英国が個人寄付の天国である理由。それは、控除の制度が充実しているから。

まー、宗教的な文化からくる価値観とか、制度のみが後押しするわけではありませんが、大きく影響しているには間違いないようです。

決算月直前でしかCSR予算がつかないという企業の話を聞いた事がありますが、なにはともあれ、制度は上手く活用したいですよね。

節税対策としてのCSR(寄付)

英国は2011年、「レガシィ10(Legacy10)」という独特の方式を導入した。遺産の10%を寄付すれば、相続税率を40%から36%に引き下げ、税金を10%減らす政策。 英国はまた、寄付金全額を所得控除するものの、返ってくる税金を上乗せして寄付する「ギフトエイド(Gift Aid)」も運営している。

米国は政府が認める慈善団体に寄付する場合、所得の50%(一部は30%)限度内で所得控除される。米テキサス州MDアンダーソンがんセンターは昨年、運営費の5%を寄付金(2090億ウォン)で調達した。この病院はホームページに所得控除を積極的に知らせて寄付を誘導する。

フランスは2003年に税法を改正し、寄付金の税制優遇を拡大した。寄付金に対しては66%(年所得の20%限度)税額減免を受ける。100億ウォンを稼ぐ人が10億ウォンを寄付すれば、税金が6億6000万ウォン差し引かれるということだ。企画財政部が先月9日に立法予告した税法改正案の税額控除(15%)水準よりはるかに高い。

ドイツも07年から寄付金の所得控除限度を総所得の5-10%から20%に引き上げた。日本は2000円以上の個人寄付金に対しては、所得の40%限度内で所得控除を受けることができる。
高額寄付を誘導する先進国、韓国は…|中央日報より抜粋して引用)

寄付に関しては、そこまで専門ではないのですが、世界では、いわゆる“寄付”に対しての税控除が制度化されてるみたいですね。

世界では、寄付金税額控除を運営する国は少なく、ほとんどが所得控除方式を採用しているそうで、その差を詳しく説明できませんが、そういう仕組みが実は世界にあるということはわかりました。

日本の寄付控除についての解説
一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|国税庁
特定公益増進法人に対する寄附金|国税庁
特定公益増進法人一覧|財務省

上記の「寄付金控除」「特定公益増進法人制度」についての解説は一度目を通すと良いでしょう。僕も勉強します。

まとめ

日本でもNPOの税制控除制度ができたりして、現在、前提条件は色々あるものの、法人からの寄付は特別損金算入限度額の寄付金として損金算入することができます。

個人寄付も企業寄付も、節税になるのであればしたいという人・企業は多いのではないでしょうか?2020年のオリンピックが東京に決まり、企業寄付や企業協賛などが今後増える事が予想されます。

そんな時も、大企業が“お付合いで寄付する”というもったいないことをせず、活用できる制度が活用して、企業も社会にもメリットのある寄付活動にしていきたい所です。

海外のNGOの日本支部は難しい所もあるようですが、企業からNPOに寄付ではなく、事業パートナーとして、通常の発注に対する支払いのようなスキームでNPOに支払う企業も増えていると聞きます。CSRとしての寄付も、社会的インパクトや税制控除などを最大限考慮した、戦略的フィランソロピーでいきましょう!!

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