事実上のホワイト企業格付けか–東洋経済「女性が働きやすい会社ランキング」(2019)

女性が働きやすい会社とは

先月に東洋経済「CSR企業白書2019」で発表された「女性が働きやすい会社ランキング」を紹介します。

CSRでいえば、環境問題もコーポレートガバナンスも重要なのですが、従業員として日々の業務を考えると「働きやすさ」はこれらよりも重要に感じます。当事者意識を持ちやすいといいますか。当然、各種ESG評価でも必ず入ってくるカテゴリでもあります。

ですので、CSR活動の意義を従業員が感じやすいのは、まさにこの領域だと思います。というわけで、働きやすさの中でも最も重要な部類に入る「女性が働きやすい会社」についてまとめます。

2019年・トップ30

1、SOMPOホールディングス
2、三越伊勢丹ホールディングス
3、花王
4、三井住友フィナンシャルグループ
5、日本航空
6、高島屋
6、SCSK
8、東京海上ホールディングス
9、資生堂
10、MS&ADインシュアランスグループホールディングス
10、富士通
12、みずほフィナンシャルグループ
12、住友生命保険
14、明治安田生命保険
14、日本生命保険
14、ANAホールディングス
17、味の素
18、かんぽ生命保険
19、帝人
19、住友電気工業
21、三菱UFJフィナンシャルグループ
22、NEC
22、塩野義製薬
22、富士フイルムホールディングス
25、ヤフー
25、りそなホールディングス
25、電通
25、ゆうちょ銀行
25、KDDI
30、日本ユニシス

出典:「CSR企業白書2019」(東洋経済新報社)

2017年ランキング

1、富士通
2、三越伊勢丹ホールディングス
3、富士フイルムホールディングス
3、SOMPOホールディングス
3、東京海上ホールディングス
6、高島屋
7、ソニー
8、花王
9、三菱ケミカルホールディングス
9、SCSK
11、MS&ADインシュアランスグループホールディングス
12、日本航空
13、NEC
14、明治安田生命保険
14、SMBC日興証券
16、ヤフー
17、味の素
18、JT
18、日産自動車
20、資生堂
20、クレディセゾン
22、T&Dホールディングス
23、オリックス
24、イオン
24、日立システムズ
26、大塚ホールディングス
26、三菱UFJフィナンシャル・グループ
26、ANAホールディングス
26、NTTデータ

出典:「女性が働きやすい会社」ベスト100

所感

この東洋経済のランキングは「女性の活躍、育児・介護、働きやすさ」という3カテゴリの合計100点満点の評価となっています。東洋経済としては、よく話題にあがるが抽象的だった「女性が働きやすい会社」をこの3カテゴリで定義しています。2017年と2019年の上位ランカーを比べてみて、あなたはどんな感想を持ちますか?2年あると、伸びた会社と追い抜かれた会社が鮮明ですね。

3つの評価カテゴリの中で私が注目するのは「働きやすさ」でしょうか。この働きやすさの項目は、有休取得率・離職状況・月平均残業時間・従業員評価の基準の公開などがあります。この項目は男性でも注目すべきカテゴリですし、これらは一般的に“ホワイト企業”の条件として挙げられるものです。この働きやすさの基礎になる部分がなければ、他の項目が優れていても、働きやすいとはいえないのでは、ということです。

あと、明確なエビデンスはないのですが、女性が働きやすい会社は、従業員の重要度が高く(?)男性も含めて、ダイバーシティ推進などにも積極的な印象です。誰だろうが、働きやすい環境であることに反対する従業員はいないと思うので、傾向は良いことだと考えています。

進捗

さて、法的なところでいうと、「女性活躍推進法」が、女性が職業生活で自身の希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備することを目的として2016年4月に施行されました。丸3年が経過した現在、女性を取り巻く環境や女性の意識や行動がどのように変化したのでしょうか。

ソニー生命保険|女性の活躍に関する意識調査2019
アデコ|「女性管理職550名を対象にした調査」管理職を自ら希望した女性管理職は、わずか1割未満
内閣府男女共同参画局|男女共同参画白書 平成30年版

例えば、直近の調査(上記)を確認したのですが、これらの調査から考えるに、法施行から3年がたち社内での女性の働きやすさや昇級などがいくぶんか改善されたものの、いまだ男性優位である状況には変わりない、というような進捗のようです。

東洋経済ランキングの上位企業は、様々な施策のトップ企業であり、他の企業に比べて女性が働きやすい可能性が高いわけですが、その何万倍もある“その他の企業”では、まだまだということなのでしょうか。私は女性ではなく大手企業に属しているわけでもないので想像するしかないのですが、少しでも前に進めているのであればこれからに期待ということでしょうか。いきなり完璧は不可能ですから。

CSR企業白書2019

まとめ

私が大学卒業をして就職したのが2000年代半ばでしたが、それから15年近く経ちまして、就職活動の選定となる基準も大きく変わってきたと思います。

こうやってランキングになったり、他の企業でも各種調査や就職人気ランキングをするようになり、働き方に関する情報量はかなり増えています。うらやましくもあり、逆に、情報が多いからこそ迷う場面もあるだろうし、難しいところです。この傾向は新卒もさることながら、ワークライフバランスを重視する中途採用組にとってはかなり転職しやすい(企業を選びやすい)環境になっているとも言えるでしょう。CSRは儲からないと言いますが、人材活用は事業戦略に大きく影響するのはわかってるし、もっと取り組んでも良いのではないかと思います。

あと、これは働きやすさの話とは少し違いますが、2019年トップランカーの企業でも、千人単位のリストラをしている企業がいくつもあります。リストラ自体の善悪はここで語りませんが、ある程度の規模の早期退職があるということは、働きやすい環境以前の話であります。45歳の早期退職募集も多いようで、男女ともに40〜50代に生き残れるかわからない職場環境を、どうとらえるかですね。

すべての企業における「働きやすい」を特定の指標だけで測ることはできませんが、今回紹介した東洋経済のランキングを参考にしていただき、CSR担当者はベンチマークして自社の取り組みに活かしていただければと思います。

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