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SDGsの企業対応事例(面白ネタあり)

SDGsの最新事例

もうじきSDGsの発表から丸2年となります。

そんな頃合いもあって、先日、国連から「Progress towards the Sustainable Development Goals Report of the Secretary-General」や「SDG Index and Dashboards Report 2017」(PDF)という進捗レポートも発表されています。

後述のレポートによれば、日本は世界で達成度が11位だそうです。CSRはヨーロッパには勝てませんが、善戦してるのではないでしょうか。日本語版のレポートもでるようなので(もう出てる?)、詳細はレポートを確認してみてください。

2年たって一部の先進企業(国内で数百社)が動いて終わりになるかと思いきや、落ち着くどころか、政府機関も本気で取組んでいるようでして、一応、2030年の達成年に向けて確実に動いているようです。

さて、というわけで2017年上半期の主な動きや、SDGsに関する資料をまとめながら企業動向をまとめます。

当然ですが、企業サイドの方は「SDGコンパス」と「SDGインダストリーマトリクス」は日本語版も出ていますし、まだ確認していない方は必ず確認してください。こちらのグローバルコンパクトのページ「アジェンダ2030:持続可能な開発目標」からダウンロードできます。公式です。

SDGs企業対応事例

ペンパイナッポー…ではないPPAP


PPAP(Public-Private-Action-for-Partnership)× SDGs

外務省のSDGsプロモーションはなんとPPAP。で、やっぱり動画再生回数もたいして伸びない。このカテゴリーのプロモーション動画は本当に難しい。申し訳ないけど、本気で広げようと思ってるのかな?

一方、ソーシャルなPPAPネタ・プロモーションでは同時期に、小池都知事とのLED推進コラボの動画が公開されました。こちらは10倍くらい見られています。(7月12日時点)

SDGsをユニークに紹介したい方はこの動画使ってください。一応、外務省公式チャンネルなので、企業利用もしやすいかと思います。

The SDGs and Business


The SDGs and Business(日本語字幕あり)

SDGsとビジネスの関係性についてわかりやすく解説された動画です。

環境白書

平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

最近は官公庁がこぞってCSVというワードを使うようになっていますが、政府関係の動きではSDGsが本丸ですね。ESG投資関係でもSDGsが思ったより使われている気がします。

で紹介するのが最新版の環境白書。日本の環境白書がSDGs関連でこれだけ情報をまとめてくるとは思いませんでした。当然ながら環境カテゴリーでの対応がメインですが、そうでない部分もあって興味深い資料となっています。環境からSDGsにくる企業関係者の方には特にオススメです。

ESG・非財務情報開示

経産省|「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス」を策定しました-ESG・非財務情報開示と無形資産投資の促進-

ESGやら非財務情報というワードはIRとか投資関係の人たちが好んで使っていますが、このあたりでもSDGsの話が出てきています。

日本企業の多くは国際的なガイドラインや動きは無視するくせに“お上”の言うことには従順になる傾向があります。政府(官公庁)が強くSDGsとCSVをプッシュしだしたので、2017〜2018年は「CSVの再ブーム」と「SDGs対象マップの開示」がより進むのかもしれませんね。

SDGs達成に必要な予算

SDGs達成の1番目のポイントとしてクラーク総裁が挙げたのが資金だ。「お金が全てではない。だがあれば助かる」。クラーク総裁によると、2030年までに全ての途上国でSDGsを達成するには年間3兆3000億~4兆5000億ドル(390兆~530兆円)の投資が必要。だが実際に動員される資金はその数百分の1の135億ドル(約1兆6000億円)にとどまっている。クラーク総裁は「各国政府だけが資金を拠出するのではなく、民間部門や慈善活動などあらゆる方面から資金を出してもらうことが欠かせない」と語る。
SDGs達成のカギは「資金」「包括性」「気候変動」の3つ、ヘレン・クラークUNDP総裁が関学で講演

毎年3〜4兆ドル?累計ではなくて?と思ったのですが「全ての途上国でSDGsを達成する」にはということですね。たしかにそれならば、このくらいの数字になるのかもしれません。しかし、これを2030年まで毎年は不可能でしょう。この数字が算出された時点で「誰一人取り残さない」が夢物語になったような…。

逆に毎年3〜4兆円ドルあれば解決できるというのが興味深い。もちろん、世界的に3兆ドルなんていう経済的余裕が出てくるとは到底思えませんが、どうなのでしょうか。2029年あたりにやっぱり無理だったから、また次の15年でなんとかしよう!というわけにはいきません。ただこの数字は興味深いものだと思います。

SDGsの欧州と日本の差

■SDGsの位置付け
日欧ともに社会課題(SDGs等)をサステナビリティに関わる企業価値の向上において重要と考える傾向が高いことは共通している。他方、欧州企業の方(63.5%)が SDGs をよりビジネスチャンスと捉えている。(日本企業:37.1%)
■認知度
日欧ともにCSR担当部署のSDGsに関する認知度は高いが、欧州企業ではCSR 担当部署のみならず、経営陣でも高い認知度(65.4%)を示している。(日本企業:25.5%)
■長期計画
SDGsの達成目標年である2030年までの取り組み計画がある欧州企業は13.5%であり、日本企業(2.9%)と比べて高い割合を示している。
企業活力研究所|社会課題(SDGs 等)解決に向けた取り組みと 国際機関・政府・産業界の連携のあり方に関する 調査研究報告書(PDF)

3月の報告書のデータですが、今はこんな感じのようです。CSR界隈では何をやっても「日本より欧州の企業すげー」で終わってしまうので、この調査結果には学びはありません。気になる点があるとすれば、認知度が高いのに実際に2030年を目指したPDCAが欧州企業でもほとんどできていない、ことでしょうか。日本企業の多くができてなくて当然という数字にも見えます。

今後は世界中の大手上場企業の数万社から浸透していくと思いますが、とりあえず、SDGs的にはスタートダッシュはあまりうまくいっていない、ということなのでしょうか。要・様子見です。

ESG投資とSDGsとの関係性

GPIF|ESG投資

企業のSDGsへの対応が「ESG投資」や「CSV」につながるというGPIFの見解。私もそう思ってはいますが、机上の空論というか、ロジックだけ作って実際の社会的インパクトがよくわからない、ということも多いじゃないですか。そのあたりをどう考えるかは結構問題だと思います。

投資家としては、とにかくESGの情報開示をしろということだと思いますが、現状でSDGsがどこまでドライバーとなるかは不透明なのではないでしょうか。

企業のCSRが、ESGという文脈でSDGsというフレームを通じて投資家と対話をする。もし、このプロセスが確立した社会となった時、上場企業のCSR活動自体の推進も期待できます。ただし、ESG投資をされる企業は時価総額で上位500社程度とも聞くし、規模感の小さい(業界大手であっても)上場企業の場合は、相変わらずマイペースなCSRをするのだろうなとも思っています。最終的には法定開示書類にSDGs関連項目を含めるしかないのでしょうが…。

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まとめ

SDGsは特にカタカナ語が多いというか、日本語訳にそのまま持ってきた感じいいのですが、初級者にはニュアンスがまったくもってわからない場面が多いのも事実。

CSR/ESGに対する事業活動と異なるのは、社会課題(イシュー)が中心概念であるため、リスクマネジメントなどのの「マイナスをゼロにする活動」が評価されにくくなるのでは、という点。例えば、コンプライアンス対応はSDGsには直接関係ないですからね。

あくまでもSDGsの17のゴールを事業活動のゴール(KGI設定)とし、いつものビジネスをまわすだけで、SDGsに貢献できるという仕組みを作ることが重要です。ソーシャルセクターやパブリックセクターの方々がいうSDGs対応とは違うアプローチも多いので、企業関係者は注意が必要でしょう。

まずは、SDGsとCSRや事業活動は別のものではなく、同じ矢印であるということを認識することで、経営戦略への反映やCSR実務活動につながっていくのかもしれません。

ちなみに私はSDGsの達成年である2030年は40代後半なので、“アガリ”の先輩たちとは違いかなり当事者意識を持っています。2020年代のビジネスシーンを第一線で担う私たち、今の30〜40代の本気度が問われている気もします。



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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]