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エンゲージメント・マーケティングの良書「Engagement First !」(原 裕)

エンゲージメント・マーケティング

ステークホルダーとのエンゲージメントを望む企業も、実務ではなかなかうまくいかないことが多いと思います。

さて、今回の読書メモは「Engagement First!」(原 裕、マイナビ出版)です。英題ですが全文日本語です。

内容はエンゲージメントの定義から詳細に解説しており、マーケティング視点によるエンゲージメントの説明がメインです。

最近、CSRや広報の担当者から「エンゲージメント」という単語をよく聞くようになりましたが、何かふわっとしているというか、「ステークホルダーとエンゲージメントしたいんですけど、どうしたらいいですか」というような質問がメインです。そういう時は文脈がわからないので「まずステークホルダーの特定(バウンダリー特定)をもう一度してみるといいかもしれません」くらいの回答しかできませんが。

私はステークホルダー・エンゲージメントが専門でもあるので、顧客から投資家から従業員から様々なエンゲージメントについて研究や実践(PDCA)の支援をしていますが、多くの企業では、その成果すら把握できていないのが現状かもしれません。

特に最近では、投資家や顧客というステークホルダーに対して、どのようにエンゲージメント(あくまでも直接のセールスやプロモーションではない)したいらよいか、という部分が注目されているように思います。投資家はIRの領域なので割愛しますが、問題は顧客サイドです。

難しい課題ですが放置するわけにはいきません。その一つの課題解決の手法として、本書から「成功のための8ヶ条」を紹介させていただきます。

成功のための8ヶ条

1、エンゲージメント関係の可視化
2、定期的な顧客インサイトの把握
3、共有価値の創造
4、対話の促進
5、エンゲージメント・マーケティングのプロセスを組み入れる
6、アクションを継続してもらう仕組みの実装
7、エモーショナルな対価/適切なインセンティブ
8、全顧客を対象としない

私が特に学びとなったのは「7、エモーショナルな対価/適切なインセンティブ」です。あなたもそうだと思いますが、人間、インセンティブがあれば行動するんですよね。逆に、してもしなくても私生活も仕事環境も変わらないのであれば、ほとんどやる意味がないので面倒でやらない、となります。これはとても普通な話。

このあたりの対価について「必要悪と考えない」という視点は、特に重要だなと感じました。詳しくは本書をご確認いただきたいのですが、CSR担当者はマーケティング視点を、マーケティング担当者はCSR視点を学べる良書だと感じました。

Engagement First !


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マーケティング1.0が商品を大量に生産し、マス・メディアで多くの人に認知してもらい、あらゆる場所で購買してもらう手法だとすれば、2010年ころから広がっている「マーケティング3.0」は、企業がその価値を顧客や関係者と共創し、共感した顧客とともに広げていく手法だと言えます。1940年代よりワークしてきたマス・マーケティングからの大きなパラダイムシフトだと思われます。
本書ではマーケティングにおけるエンゲージメントを掘り下げ、その重要性を論ずるとともに、実践的な活用に活かせるよう、最新かつ普遍的なエンゲージメントマーケティング論を展開していきます。



執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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