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読書メモ『「原因と結果」の経済学』(ダイヤモンド社)

原因と結果

“根拠のない通説”には、騙されたくないですよね。

今回の読書メモは『「原因と結果」の経済学』(中室牧子・津川祐介、ダイヤモンド社)です。

本書はタイトルの通り「原因と結果」つまり物事の因果関係について書かれたものです。様々な“それっぽい”事例紹介を含めて、それが真実と言えるのか、というまっとうなロジックが展開されています。

当ブログでも、この「CSR領域における相関関係と因果関係の差」は常にお伝えしていたと思いますが、このあたりのロジックがまとめて掲載されているイメージです。

コラムも面白く「チョコレートの消費量が増えるとノーベル賞受賞者が増える?」「受動喫煙は心臓病のリスクを高めるのか」「女性管理職を増やすと企業は成長するのか」などは興味深かったです。

CSR関係でも「ダイバーシティ推進は経営効果がある」とか「女性役員が多い企業は成長しやすい」など通説的な何かがありますが、発信者の方々のロジックを見るとあやしいものが多いです。たとえばそれも「因果推論」という方法を用いることでロジックの正当性・整合性を判別できうるのです。

CSRの効果測定やインパクト・フロー(インプット・アウトプット・アウトカム・インパクト)などにも重要な考え方で、素人の通説からの仮説立てにおける認識ミスを減らせる考え方でもあります。

CSR活動、とくに社会貢献活動全般は、なんとなく“社会に良いこと”で終わらせそうなところですが、「根拠のない通説」にだまされることがなく、成果の最大化ができるのではと思います。

経済学や科学がわからなくても十分に読める本ですし、CSR活動を社長の感覚で決める「アート」から「サイエンス」に高められるノウハウがてんこ盛りでございました。

CSR担当者はもちろん、広報や人事部門の方などステークホルダーとの接点が大きい方は、自分の成果を最大化するためにも読んだほうが良いかと思います。

「原因と結果」の経済学

この本を読めば、2つのことがらが本当に「原因と結果」の関係にあるのかどうかを正しく見抜けるようになり、身の回りにあふれる「もっともらしいが本当は間違っている根拠のない通説」にだまされなくなります。この「因果推論」の考えかたを、数式などを一切使わずに徹底的にやさしく解説します。



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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]