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CSRにおける第三者評価がフェアでない理由

CSRにおける第三者評価

第三者評価って客観性ありそうじゃないですか。でも、そうではないことがあります。

第三者評価は、第三者が自身の基準で調査・分析するため、必ずしも汎用性の高い客観的な評価であるとはいえません。評価項目を何にするかで、その評価は意図的になるというか、100%が同意するものにはならないです。当然といえば当然。

では、CSRにおける第三者評価やランキング・調査などは意味がないのか。結論をいえば、意味はある。でも、それが評価の万能薬になることではない、ということでしょうか。

本記事では、「CSRを評価する」という点の課題をまとめます。

CSRランキング

日本でも世界でもよくあるのが「エントリー制」です。各種アワード・ランキング・調査に自らエントリーしないと評価してくれないことも多いし、しかも審査料が有料なものもたくさんあります。

他にも調査票やアンケートが送られてきてそれに回答することで評価してもらえる、というパターンもありますが、勝手に公開情報だけで評価してくれるわけではありません。どんなにCSR的に優秀でも、回答しなかったり、エントリーしなかったり、お金払わなかったりすると、世間一般での先進企業としての認知は上がりません。

もちろん、それらの調査自体を批判するものではないし、参考になるものも当然あります。だからそのあたりのバランスを考えて対応するのが重要なのです。

逆に評価する側としては、フェアにいくならならば、CSR関連報告書やCSRウェブコンテンツですでに開示されている情報から、企業評価をするしかないです。エントリー制や有料制は網羅性がなく、悪くいえば“いつもの企業”しかランキングに登場しないことになります。

CSR以外の分野の企業評価においても同じようなことがいえます。企業評価している多くは民間企業だし、何をどのように評価してもいいのですが、社会へのインパクトや、ステークホルダー対応の成果を考えると…まぁ、意味のないものもありますよね。

私はこのエントリー制や有料制の価値に違和感があって「CSRコンテンツ充実度ランキング2017」を作りました。純粋に「公開情報」で評価をしようと。これは私の考えであり、これも全方位的に客観性がある、というわけでありません。

官公庁の認定

では、民間企業ではなく官公庁の評価なら信頼できるのでしょうか。大抵のことは信頼性が高いと思いますが、認定関係はけっこう〇〇だったりするようです。

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官民問わず、CSRの外部評価の高い企業は結局こういう枠組みに入ってますが、実は〇〇なんてことがよくあります。もう一度言います。こういうことは残念ですが「よくあります」。

上記の例では、大手企業が「認定取り消し」となっているようです。結果論ですが、こうなってしまうと、では認定って何を見ていたの?とならざるをえません。社内担当者の方はさすがに自社の“現場”の労働環境を知っていたと思うので…。なかなか難しい問題です。

海外のESGレーティングでガバナンスが最高評価されている企業が、実はガバナンスも何もない組織運営をしていて、インデックスから外されるとか、日本の官公庁認定の枠組みを取得していたけど、実は犯罪レベルな労務状況だった企業だったとか、情報セキュリティの認定を受けていながら情報漏洩を繰り返す企業とか、監査法人が企業の嘘を見抜けない(?)とか、第三者評価には限界があります。

政治では「任命責任」みたいな考え方もありますが、企業の社会性を評価する以上、官公庁や公的機関で評価したのであれば「評価責任」のような義務や倫理観もあると思います。そうでないとさすがに無責任すぎるのではないか、と。評価機関の社会的責任も私としては気になります。

認定した結果、その認定を考慮しステークホルダーが何かの意思決定をしたら、最終的にステークホルダーに迷惑をかける行為につながる可能性があります。

たとえば、労務環境が優良です、という認定を受けてたから株を買ったのに、この前書類送検されてたし株価落ちてるしどうしてくれるんや!みたいなイメージでしょうか。

まとめ

世の中に絶対はないので、毎年「第三者評価に合わせる必要はあるのか?」と自身に問うてみましょう。

一番の問題は評価されるのがルーティン化してしまい、本来目指すべき「企業価値向上」から遠ざかってしまうことです。手段が目的化してしまう、ということです。

企業は評価機関だけの評価が高くてもつぶれますが、評価機関の評価が低くくてもステークホルダーの評価が高ければビジネスを継続できます。評価機関への過度な盲信に気をつけましょう。

うまく第三者評価を使いながら、CSR活動を通じステークホルダー評価を上げていこうではありませんか。というまとまりがないところで、今日はここまで。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]