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CSRコミュニケーションのトレンド予想(2017〜2018)

CSRコミュニケーションのトレンド

2017年も、早くも0.5ヶ月が終わろうとしています。今年も残り12ヶ月を切っています。

さてそんな暦ではありますが、改めて2017年のCSRコミュニケーションのトレンドを紹介したいと思います。

ここ数年の大きなトレンドとしてデジタル領域、つまりウェブ上での非財務情報開示があります。

そのほかにもいくつか2017〜2018年の大きな流れの一つになりそうな話を紹介します。

CSRコミュニケーショントレンド

アクセシビリティ

CSR情報開示がウェブがメインになるらしいから、情報をどんどんアップロードしていけ!というのはよろしくありません。やはり、読者あってのコンテンツですので、読者視点でいろいろ進めないとステークホルダーとエンゲージメントどころか、クレームをもらう危険性すらあります。

例えば、2016年3月にウェブのアクセシビリティに関連するJIS規格が改定され「高齢者・障害者等配慮設計指針」(JIS X 8341-3:2016)が発行されました。ざっくりまとめますと、様々なステークホルダー(読者)に対して適切な情報発信をしましょう、ということです。

これはCSRが、ということより、コーポレートサイトのダイバーシティ対応がCSRの一つ、ということです。詳しくは以下のサイトなどをご確認ください。

JIS X 8341-3:2016 解説|ウェブアクセシビリティ基盤委員会

ポリコレ

ポリティカルコレクトネス(政治的妥当性)は、CSRコミュニケーションにおいて、今後、非常に重要になってくるであろうポイントの一つです。

ポリコレとはつまり「偏見や差別を含まない中立的な表現を用いること」です。詳しくは先日まとめました「ポリティカル・コレクトネスは言葉狩りか配慮か」という記事を参考にしてください。世界中で人権配慮なコミュニケーションが求められているのです。

ここからCSR担当者が学ぶべきトレンドは、広告や情報発信の方法について、です。「何か社会に良いこと」を発信しようとしたら、別の価値観を持つNGOから叩かれるみたいなことも今後増えるわけです。

CSR報告書は人権配慮などに苦慮する担当者が多いので、まだポリコレの認識があるのですが、問題は広告・マーケティングなどの別部門の方々です。社会に良いことをしたつもりが、想定外に誰かを傷つけてしまう。そんなことが普通に起きてしまう時代なのです。コーポレートコミュニケーション関連部門全体で共有していきましょう。

ポリティカル・コレクトネスは言葉狩りか配慮か

サプライチェーンマネジメント

“コミュニケーションのサプライチェーンマネジメント”という問題は、今後ますます大きな課題となるでしょう。CSR的には「加担」と呼ばれるものですが、広告出稿先がコンプラ違反企業だったらどうする?みたいな話です。法務部門だけでは対応できないと思いますよ。

2016年末から様々な有名企業の大手メディアで嘘やら不適格な記事が蔓延と話題になって、いくつかのメディアは閉鎖に追い込まれましたが(法令違反の疑いが強かったのでしょうがいない部分もある)、そのメディアに加担をしていた広告主企業に社会的責任はあるのか、という話です。

で、結論からいうと、ISO26000でいえば「公正な事業慣行」や「消費者課題」につながるカテゴリーの問題になります。広告主の社会的責任、そしてメディア自身の社会的責任を含めて、いろいろ考えさせられる年になるでしょう。

といいますか、メディア運営企業のCSRって〇〇なところが多いですから、CSR関連の広告出稿が多い企業担当者は、「ブラックリスト形式」(ダメなメディアを避ける)から「ホワイトリスト形式」(良いメディアのみ出稿する)で情報のトレーサビリティを行う必要があるかもしれません。加担、ゼッタイだめ!以下、ちょっと違うけど、非常に興味深い記事なのでご参考までに。

ブロックチェーン活用、メディアが検討すべき4つの可能性

数値化

CSRコミュニケーションにおいても「数値化」は大きなテーマです。

でも方法論だけ言ってしまえば全然簡単です。それは“デジタル化”させれば済む話なのです。しかしながらCSR活動が「数値化」された瞬間、それがKPI化され、その数字を最大化することが求められます。その結果、他のまだ数値化できない社会課題解決への指標は無視されていきます。つまり、可視化できたものだけが価値とされ、見えないものは無価値とされてしまう(≒見えないものは判断・管理できない)可能性が大きい、と。

それは良くない。

そうなると、複雑に絡まるステークホルダーの利害関係を無視することも起こりえます。特定のKPIを最大化することは、CSRにおいては良い面だけとは限りません。CSRはマルチステークホルダーとエンゲージメントする必要があるからですね。

高度に発達した情報化社会においては、CSRコミュニケーションのデジタルな側面を評価・指標化できるフレームワークの導入が求められます。これはCSRの専門家でも難しい。なぜか。まだ存在しないからということもありますが、デジタルネイティブ(1980年生まれ以降のミレニアル世代など)な世代でCSRの専門家がいないから、という理由があります。

今後、若い世代を含めてどんどん開発されていくのでしょうが、そこまで考えると2025年くらいまでのトレンドになってしまうかな…。ちなみに、この課題にはすでに着手済みで、近々で、面白い調査・研究結果を発表ができる予定です。

とりあえず言えるのは、一定レベルのCSRコミュニケーションのフェーズに達しているCSR評価上位300社くらいは、今後、CSRコミュニケーションのデジタル化のステージに突っ込んでいきます。不可逆ですので、避ける方法はありません。そのきっかけとなるのが、2017〜2018年となるでしょう。

まずは自社のCSRデジタルコミュニケーションの現状分析からやりましょう。できれば、数十万円かけて専門家に第三者評価を依頼できるとベスト。(私どもでも「第三者評価」やってます)

まとめ

ストレートなCSR領域の話ではなく、社会課題やデジタルトレンドの枠組みからの紹介事項が多く、CSR担当者の方には新鮮な項目も多かったのではないでしょうか。

こうやってトレンドをピックアップしてみると、テクノロジーやインフラの進化によって、CSRコミュニケーションのデジタル化が加速していることをご理解いただけるかと思います。

CSRコミュニケーションに関わる担当者の方(CSR、PR、IR、マーケティング、経営企画)は、どんどんキャッチアップしてかないと、地道に対応してく企業に3年後めっちゃ離されますよ。

本来はCSRは“サスティナブル”な概念であり半永久的な時間軸のものなので、トレンドはあくまでも社会変化の一つであり、より本質的な議論を進めるのが理想です。

というわけで、トレンドを紹介しておいてアレですが、今年もよろしくお願いいたします。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]