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CSR担当者が“必ず”悩んでいる3つの課題

CSR担当者

CSR担当者の悩み

先日、とある食事会であるCSR担当の方が「昔からCSR担当者の抱えている課題なんて同じなんですよ」といって、僕もよく聞く話をしてくださったので、改めて記事にまとめたいと思います。

正直、この課題って5年以上前から聞く担当者の悩みとです。まったく。大手企業であればそれなりのリソースを使って様々なアクションをしているのに、それこそ10年前も5年前も今も同じ課題を抱えているのです。

この課題って誰もが「そうそう!」って感じるヤツです。

悩んでいる3つの課題

1、経営層の理解

これはまず間違いない。日本企業であれば、ごく一部の企業を除いて、経営層(社長を中心とした偉い人たち)でCSRをある程度でも勉強してきたという方はいません。上場企業でCSR関連部門から社長になったという人は1人もいないんじゃない?

体系的な理解はしてなくても、アンテナが高い社長は動いているのですが、ダイバーシティとポリコレの時代ですので年齢の明確な区切りはしませんが、年配の方だと理解が少ない傾向があります。

もちろん担当者も社長だけではなく、役員・部長の方々にCSRのことを理解しステークホルダーからのニーズであることは伝えても、能動的に動いてくれるかというと…。

2、社内浸透

1と2はほぼすべての企業にあてはまります。

社内浸透の最終成果(ゴール)をどこに設定するか、という超基本的な問題はさておき、多くの企業担当者は、社内の従業員(場合によっては非正規スタッフ、関連会社スタッフを含む)を巻き込めていないと言います。

CSR活動では“インサイドのステークホルダー”(社長含む従業員など)への対応とエンゲージメントが一番難しいという人たちも何人もいます。

で、その課題解決方法として社内報やイントラネットなどのメディアをいじるという手法に注目が集まるわけですが、何百社という担当者の方の話を聞いてますが、1社もうまくいっているという話を聞いた事がありません。メディア利用ではない方法でうまくいってるという会社の話は聞いた事ありますけど。

「手段の目的化」というか、コミュニケーション・ツールの整備は当然重要なものの、そもそもの情報流通の設計を間違えている場合がほとんどなので、先に考えることがあるのでは?と僕は思っているし、実際そうであることが多いです。さてどうしたものか。

3、評価向上

これも良く聞く課題です。「で、CSR活動やってどんな意味あるの?」(積極的にやる意味ないでしょ?)という鋭い刃物のような切れ味の名言から始まり、「CSR活動は社内外のステークホルダーの評価を得られにくい」という課題はどの企業担当者も抱える課題です。

「自分たちがやりたい活動」と「ステークホルダーが企業に期待する活動」のギャップが必ずありますので、この課題は「ステークホルダーの特定」と「ステークホルダーエンゲージメント」ができていない企業のほうが顕著になります。

ちなみに、近い領域だと「CSR活動は効果測定/定量化しにくい」という課題もありますが、最近は国も推進する「社会的インパクト評価」の話もあり、理論上はすべてのCSR活動は定量化/可視化できることになっています。(そのネガティブな側面はここでは触れません)

3つの課題の中では、テクノロジーやフレームワークで解決できうる可能性が高いものであり、今後5年では一部の企業では解決できる課題になっていくのかもしれません。

なぜ課題はなくならないのか

まぁ、3つの課題とも共通の本質的課題をはらんでいる、と僕は思うのですが、その話は長くなるのでまた別の記事でまとめます。

CSR領域はテクノロジーが深く関与するカテゴリーではないので、実務的に毎年大きな変化があるということはありません。しかし、ずっと前から、CSR担当者はずっと同じ課題を抱えているのです。

正確にいうと、最近は「社長がCSRを理解し推進する企業」が増えていまして、上場会社は特にESG説明会のようなステークホルダーを向いたアクションを増やしたり、やっと「経営層の理解」と「社内浸透」が進み「評価向上」の実績を出し始めている企業が出始めています。

それでも日本で数十社レベルだし、CSR報告書を発行している企業でも「経営層の理解」がないところなんてたくさんあります。仮に社長の理解度が高い企業の事例を聞いても「あの会社だからできるんだよ」で終わるし、CSR担当者としては強力な板挟み状態であるのは残念としかいいようありません。ご苦労様です。

で、身も蓋もない解決案ですが、地道に社長のコミットメントを引き出すことが“急がば回れ”だと最近は考えています。もしくは上場企業の法定開示書類にCSR関連項目がはいるとか、ですね。法律になればどの企業も対応しますが、任意対応のうちは開示リスクを含めて積極的に対応する社長はいませんからね

ちなみに他によく聞く各社共通の課題は「CSR情報のウェブと冊子の振り分け」「縦割り文化」とかもあります。

まとめ

僕もこの昔からある命題を解決したいと試行錯誤しているのですが、乗り越えられない壁を実感しています。最終的には、僕ではなく内側で解決しなければならないからです。

逆にCSRに対して社長の理解がある企業は、国内外でCSR評価が伸びているとこもあります。

この記事をお読みのあなたも、CSR活動における多くの課題は経営層のコミットメントで解決出来るのは知っていると思うので、徹底的にボトムアップでトップを変えて、最終的に上からのアクションを引き出しましょう!

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]