CSRマーケティング

CSRマーケティングの基本

今回の読書メモは「ドラッカー・ポーター・コトラー入門」(中野明、朝日新聞出版)です。年代を問わず、ビジネスパーソンであればだれもが一度は読んだことのある巨人たちの話です。

ドラッカーのマネジメント、ポーターの競争戦略、コトラーのマーケティング。で実はCSR的にもこの3人の考え方は非常に重要視されています。

ピーター・ドラッカーは「知りながら害を与えるな」と、企業倫理の本質や非営利組織経営・CSRマネジメントに関する発言も多い方です。マイケル・ポーターはCSV論で有名ですね。フィリップ・コトラーはマーケティング3.0が有名。

それぞれがそれぞれの視点で「CSRマーケティング」の概念をまとめています。(本書ではコトラー氏のCSRマーケティングがメイン)

もちろん、本書のポイントはマーケティング入門がテーマなので、CSR/社会的責任マーケティングの話は1割の内容量です。マーケティングも勉強したいCSR担当者にオススメって感じかな。

実際のマーケティングメソッドもかなり入門編な感じなので、すでに知っているという人はおもしろくないかも。

CSRマーケティング

さて、CSRマーケティングですが、例えば、ISO26000では、責任あるマーケティングに関して以下のような視点を提供しています。

■消費者課題 > 公正なマーケティング、事実に即した偏りのない情報、および公正な契約慣行
・虚偽的、詐欺的もしくは不公正、不明確、不明瞭な慣行に関与していない
・消費者が十分な情報を得た上で消費および購買に関する決定を下せるよう情報開示している
・性別、宗教、民族、障害または個人的関係に関する定型化された観念を固定化させる文章、音声または画像を使用していない
・広告およびマーケティングを行なう際には、児童を含む社会的弱者の最善の利益を第一に考え、社会的弱者の利益を害する活動に関与していない

言われてみれば、まったくもってして当然の話なのですが“現場”の方は、この点に注意して日々の事業活動を行なっているでしょうか?

先日『コカ・コーラ「12歳未満へのマーケティング自粛」は口先だけ?』というような記事もありましたが、実際のマーケティングに社会的責任(説明責任・実効責任)は実在するのでしょうか。この本を読んで改めて思ったところでございます。

すべてのCSR担当者はもちろん、CSVとか戦略的CSRに興味がある方々にも面白い本かと思います。マーケティングの世界もこの5年くらいで本当に変わったよなぁ。

ドラッカー・ポーター・コトラー入門