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国家施策としてのCSR推進–国内のマテリアリティ動向

CSR政策

国内のマテリアリティ動向

先日、とあるCSR評価の高い企業のベテランCSR担当の方が「CSR担当者同士ではよくマテリアリティの話になるが、SDGsを含めたグローバル・イシューばかりに注目が集まり、国内のイシューやステークホルダーを見逃している気がする」と言ってました。

さすがです。僕もそう思います。グローバル企業は国内の社会動向を見逃しがちです。僕は、日本企業は、国際的なCSRのガイドラインに対応する前に、日本国政府の施策に対応すべきだと思うんですよ。だって、土着性のある日本国政府の方針は、社会情勢の動きそのものであり、日本企業のマテリアリティそのものなのですから。(異論は認めない)

とはいえ、僕もCSR担当者(アドボカシー系は除く)も政治は専門でないため、CSR戦略との整合性が保てないこともしばしば。どうしましょうか。

というわけで、2016年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」、2016年8月に発表された「平成29年度内閣府重点施策」から、2016〜2017年の政府の動きの中で、CSRに関わる部分をピックアップしてみます。

内閣府重点施策

平成29年度内閣府重点施策

◯結婚・出産・子育ての希望、働く希望、学ぶ希望の実現
・少子化対策の推進
・子ども・子育て支援新制度の更なる充実
・子供の貧困対策の推進
・子供・若者の育成支援
・女性の活躍推進
・障害者の活躍支援

◯活力あふれる共助社会づくり
・社会的成果(インパクト)評価の普及
・「民による公益の増進」に向けた取組の推進
・防災対策の推進

など

基本方針2016

経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~

◯現下の日本経済の課題と考え方
・熊本地震への対応
・地方創生
・東日本大震災への対応

◯成長と分配の好循環の実現
・子どもや子育て支援、子供の貧困対策等
・就業を希望する女性や高齢者の就業促進、 非正規雇用労働者の待遇改善等
・女性の活躍推進
・障害者等の活躍支援、地域共生社会の実現
・暮らしの安全・安心
・資源、エネルギー
・地球環境への貢献

など

CSR動向について

法制化(改定・施行)されたものもありますが、2017年も「女性活躍推進」(ワークライフバランス推進)、「障害者雇用促進」(ダイバーシティ推進)が国の動きとしては活発ですよ、ということのようです。もちろん、本来はトレンドではなく、永続的に企業も取り組まなければならない課題ですが。

いろんな考え方があってもいいですが、海外のガイドラインやインデックス、つまり外部評価機関の目を気にするより、実務的には、こういった国家戦略にこそ対応すべきなのだとも考えています。

要はバランスの問題ともいえますが、特に自分たちが“日本企業”であると自覚している企業は対応が必須です。この戦略の一部は法制化されるし、やったほうがいいと言われていたことが法律になって対応遅れる大手企業は多いですが、もったいないし残念だと感じています。女性活躍推進は重要っていわれていて前もってお触れがあったのに、期日内の開示をできなかった企業とか…。

国際ガイドラインで指示されるような国際的なCSR活動はグローバル企業にとって非常に重要な指針になることは間違いありませんが、日本国内では社会問題と認識されていない(地域特性として皆無な事象含む)ものもあり、国内のステークホルダーのニーズを無視したコミュニケーションと捉えられるかもしれません。

CSRはグローバルな共通概念だからこそ、地域化された情報は排除されがちだし、日本独特の課題をどのように捉えて世界に発信すべきか、という点で失敗している企業が多いです。このあたりの課題は、実際にCSR担当者から聞いたこともありますし、注意が必要でしょうね。

まとめ

海外のCSR界隈の話題を情報収集しているメディアや人がいますが、国内動向って意外に定期的にまとめて発信してくれる人が少ないので(不定期で発信している人・メディアはけっこうある)、僕が情報収集をサボれないので大変です。

当ブログ読者は、僕が1〜2時間で主に国内事例をまとめた記事を3〜5分で、しかも“無料”で“会員登録なし”で読めるのでラッキーですよ。そもそもCSR関係者で、このブログを週1回も読んでないとなるともったいないとしかいえません。

というわけで参考になれば幸いです。



執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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