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読書メモ「990円のジーンズがつくられるのはなぜ?」(長田華子)

社会的企業

企業の社会性はどこにある?

今回の読書メモは「990円のジーンズがつくられるのはなぜ?」(長田華子、合同出版)です。

内容はタイトルから想像出来る範囲の話で、よくあるバングラディッシュの工場の話です。この本の特筆すべき点は「読みやすさ」です。

アパレル業界のサプライチェーンマネジメントに関する話は、国際的なNGOの関与が強く、大抵“人権団体の企業叩き”に終わってしまいますが、この書籍は比較的フラットに書かれており、新任CSR担当者でも入門編としてよいでしょう。

CSRに長く関わっている人からすれば、よく知っている内容かもしれませんが、サプライチェーンの人権・労働慣行の問題って複雑で、なおかつ、その課題をどのように自社のCSR活動としてまとめればいいかわかりにくい部分がたくさんあります。

本書にはアパレル以外の業種でも、いくつか活動のヒントになるような視点があります。

途中、本題とはあまり関係がない社会的企業の記述もありますが、多くの大手日本企業の場合「バングラディッシュの貧困層を救おう!」と会社を立ち上げたわけではないので、参考程度に読むと論点がブレなく読めるかもしれません。

ただ残念なのは、結局タイトルの答えとなる内容はあまりないし、バングラディッシュの人権の話がほとんどであるという点でしょうか。視点が一方的というか。それが研究家サイドの視点じゃん、と言われればそれまでですが…。出版社の意向が強く出てしまったのでしょうか。

社会的企業が良いのか悪いのか、という筆者の極端な定義等もあまりなく、服を通じてサプライチェーンマネジメントを学べる良書と感じました。初級のCSR担当者はもちろん、調達・購買部門の方、アパレル業界の関係者には必読の書でしょう。

990円のジーンズがつくられるのはなぜ?

世界の縫製工場といわれるバングラデシュには、世界中のアパレル企業から大量に注文が殺到します。世界に販売網をもつH&M、GAPも、日本のユニクロにとっても激安商品の供給国なのです。1カ月4000円ほどで働く女性たちの生活から、グローバル化した世界の現実が見えてきます。



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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]