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CSR報告ガイドライン「GRIスタンダード」が変える業界特性と課題の概念

GRIスタンダード

GRIスタンダードの特徴は

GRI/G4にやっと対応できた、という日本企業は多いと思いますが、2016年末までにGRI/G4の後継規格「GRIスタンダード」が発表されます。

GRI|Transition to Standards(英語)

現在はパブコメを受けつけている最中のようです。今回の変更点は内容というより、枠組み(カテゴリー)の変更がメインのようです。イシューにもフォーカスした枠組みができるということなので、G4で主張してきたマテリアリティをより意識したものになる、ということなのかもしれません。

発表直前ということで、GRIスタンダードについて簡単にまとめます。

■追記:2017年4月19日
レポーティングの新時代を切り開く「GRIスタンダード日本語版」(2017)

策定スケジュール

GRIスタンダード

引用:GRI|Transition to Standards

GRIスタンダードについて

GRIスタンダードは、基準文書フォーマットが変更になります。G4は「報告原則および標準開示項目」と「実施マニュアル」の二冊構成でしたが、GRIスタンダードでは3つの一般基準と35の特定基準の合計38冊に分かれる、とのこと。

一般基準はガイドラインを参照する全ての機関が遵守しなければいけない基準、一方特定基準はイシューごとに作成されマテリアル・イシューのガイドラインのみを参照すればよくて、各基準には義務的基準と推奨基準の二段階が記されているようです。

僕は、GRI/G4の良い準拠事例を教えてください、という質問を受けることがあります。マテリアリティやバウンダリー設定がとても良い企業があるのは事実ですが、ガイドラインに準拠するということは、基本的にアウトカムの差異は少なくなります。

そりゃ統一された開示フレームワークに沿って情報開示をするので当然ですね。どこも似たような報告内容、報告形式になります。違うのは、報告書のキー・カラーが赤か青か、などのデザイン上の差でしかありません。で、オリジナリティはなくなりますよ?と話をすると、「そうなんですねぇ・・・」みたいな反応されます。

オリジナリティという視点でいえば、ISO26000との整合性はあると思うのですが、IIRCの統合報告/統合レポートとのGRIスタンダードとの整合性は取りにくくなるかも…!?

僕は、GRI/G4はそもそも、オリジナリティを追求したり差別化をするための戦略フレームワークにはならないと考えます。しかし、GRIスタンダードでは、業界別のマテリアル・イシューがまとめられたものになるようですし、業界での“優劣”や、“他業界との差別化”は進みそうな気がします。

ガイドラインは現場には求められていない?

CSR報告書やCSRコンサルティングの現場にいますと、特にCSR活動が初期フェーズの企業の場合、ガイドラインをほとんど気にしない例も多くあります。もちろん、ガイドラインを無視するのは賢明とは言えません。ただ、それは担当者が単に悪いということではなく、CSR支援側の解説が不足している場合もあり、原因はケースバイケースです。

そうした時には、ガイドラインを使って現状分析をしたりToDoリスト作成、マテリアリティ策定などに活かしたりし、ツール利用のメリットを含めてご説明させていただくように努力をします。

まぁ、ガイドラインに従ったからといって「CSR評価」(企業評価・事業評価)や「株価」がすぐ上がるわけではないし、長期的な視点をどこまで示すことができるかを、改めて理解する必要があります。

つまり、今回でいえばGRIスタンダードへの対応による、メリット・デメリットを把握し、現場のPDCAサイクルに取り組むことが重要だということでしょうか。

まとめ

SDGsもインダストリーマトリクスがあるし、やっと世界的なCSRガイドラインが、汎用的な参考資料というポジションから、実務的な業界・課題(インダストリー、イシュー)をベースとしたフレームワークとなるのかもしれません。

そういう意味では僕がよく使うISO26000は、もともとイシューベースの考え方であり、現状分析やマテリアリティ策定などにも使い勝手は良いです。

2013年からのGRI/G4の3年間を見ている限り、今から4年後の2020年あたりには、よく参照CSR関連ガイドラインとしてSDGsとGRIスタンダードに集約されるのかもしれません。CSRコンサルタントとしては、国際的なガイドラインができることはツール開発にもつながるし良いことです。

さてさて、どんなパブコメがでて、最終的にどんな形で発表されるのか。今しばらく、ワクワクとドキドキが続きそうです。

GRI|Transition to Standards



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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]