CSR活動の目標・KPIを“願望”で決めていませんか?

CSR目標

CSR活動の目標とは?

CSR活動においてKPI(重要指標)の設定は重要です。むしろ、ビジネスにおいて、KPIや数値目標が重要ではない部署なんて存在しません。

でもCSRとなると軸のしっかりした長期的視点が必要になるのに、根拠のない適当な数字をKPIにしたりしてませんか?「2030年に〇〇までやる」とか「2050年に〇〇を達成する」とか。

“キリのよい数字”を否定するわけではありませんが、根拠のない目標は企業自身にネガティブな影響を引き起こすことが多いです。

というわけで、CSRにおけるKPIは、願望ではいけないのではないか、という考えをまとめます。

指標と目標と結果

重要指標(ターゲット)を決めて具体的な数値目標(インジケーター)を決める。この一連の流れは大切なのですが、その決め方に問題があると最近感じています。

例えば、女性活躍推進の目標数値みたいに、ほぼ達成がムリなものを目標としている企業って多くないですか?現実的ではないというか、具体的ではないというか。多くのCSR担当者はこの数値目標を「ただの願望」とはき違えている気がしてなりません、願望と目標は違います。

口では「年収一千万円が目標です!」と言っていても、それにむけた具体的な活動をまったくしていない人がいます。「将来独立することです!」という人が、その準備を何もしてないようなものです。そんなCSR目標では誰も幸せになれません。

これはCSRでなくても営業的な目標も一緒です。「2020年・売上1兆円」とか、色々ストーリーがある場合もありますが、たいてい、オーナー社長がキリのよい数字を並べてるだけ。自己啓発本では目標の重要性を説くものが多いですが、その多くは目標ではなく願望なのです。

社名は言えませんが、日本の超有名なワンマン経営者が“鶴の一声”でCSR活動目標を決めて(根拠のある数字ではなくキリが良いというだけ)、現場が右往左往するという、中の人の話を聞いたことがあります。だから離職率高いんだよ、あの会社は…。

とはいえ、どんなきっかけであれ、社長がCSR活動の目標を決めコミットメントする、という姿勢は評価すべきです。上場会社・大手企業でも大々的にCSRにコミットメントする社長って実は少ないのです。(ただし担当者の心労はレベルが高そうですが…)

しかしながら、「高い目標を設定し背伸びしながら目標達成を目指すから成長がある」みたいな、営業出身の人が言いそうな台詞をいうCSR担当者の方もいるかもしれません。もしくは、現場の難易度の高さを考えず数字にコミットメントしてしまう社長・会長の“鶴の一声”などがあるのも事実です。それらの考えもなくはないので、難しい所もありますが…。

願望と目標の差

願望と目標の差は1つだけです。「具体的であるかどうか」です。

「なんや“年収一千万円”は具体的やんけ」という人がいるかもしれませんが、僕がいう“具体的”とは「行動の具体性」です。ゴールとなる目標数値の具体性ではありません。

知っているだけでは意味がない。実行できてこそ意味があるのです。目標はあくまでも最終成果であり、行動目標であってはなりません。

「Knowing Doing Gap」(頭ではわかっていても行動できない行動差)、「手段の目的化」の概念に近いかもしれません。

「CSR担当者は評論家になるな」とも表現できます。CSR担当者はいわゆるハイスペックな人材も多く優秀な人が多いだけに、目標や計画、KPIなどの話ばかりで、具体的な行動の話ができていないことも多々あるように感じます。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが“前に進んでこそ前に進める”のです。行動してこそ前に進めるのです。プレイヤーのいないCSR活動はありえません。

ちなみに、僕は評論家気取りでいんですよ。ブログではね。さすがに、現場での評論家気取りコンサルは課題解決に貢献しないのでいりませんけど。

まとめ

「目標を決める」。担当者であれば数分で決められそうなことがいかに難しいことなのか、ご理解いただけたかと思います。

最終的に何が正しいかというのは、その時になってみないとわかりません。

なかなか抽象的な記事になってしまいましたが、言いたいことは「行動しようぜ」ということです。CSVなどを含めて理論的なCSRの整理ばかりが進み、現場的にはたいして進んでいないCSR活動なんて山ほどあります。

CSRでもCSVでもどっちでもいいから、さっさと行動した者勝ちです。PDCAサイクルを多くまわして失敗しながらも前に進んだ企業が先進企業になっていきます。

CSR担当者は特にベテランが少ない部署なので、「手段の目的化」にはまってしまい貴重なリソースをムダに消費しないように気をつけましょう。

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