CSRの進捗確認フレームワーク

「僕らの会社ってCSRがあまり進んでないんだよなぁ。」
「今期からCSR部に入ったけど、進捗ってどうやって図るんだ?」

そんな話しを時々耳にします。
社内資料を作るにも、CSR進捗評価のフレームワークって、
どこで学べばいいかわからない。

そんなあなたに朗報。
僕のブログがあるじゃないですか(笑)

というわけで、今回はそのステップにおける事象から、
CSR進捗の全体像を知る5段階のポイントを紹介していきます。

CSR進捗調査ステップ

第1段階「法令に未対応」 
違法でないかぎり対応しない

第2段階「法令を順守」 
規制による要請や強制、社会からの圧力によって受動的に対応している

第3段階「法令を先取り」 
初期投資を上回る節減効果・ブランディングによる利益が得られ、変革に弾みがつく

第4段階「戦略への反映」 
CSRが企業戦略の策定・実行に当たっての中心テーマとなる

第5段階「目的や使命」 
CSRミッションそのものが企業の目的や使命の一部になる

CSR進捗調査ステップ:解説

第1段階

「法令に未対応」 違法でないかぎり対応しない

CSR関係の法律ってあまりありませんから、事実上何もしていない状態ですね。
僕からはどうこういうことはありません。

第2段階

「法令を順守」 規制による要請や強制、社会からの圧力によって受動的に対応している

環境活動をしているといっても、この段階の企業は多い印象です。
海外支店のビジネスを、NGOに指摘されている段階とかここです。

外的要因とはいえ、ある意味、
CSR的に変わろうとして、もがいている状態かも。

第二段階と第三段階では、その差に壁があります。
CSRが、受動的でコストであるか。
CSRが、能動的なイノベーションであるか。
という感じでしょうか。

第3段階

「法令を先取り」 初期投資を上回る節減効果・ブランディングによる利益が得られ、変革に弾みがつく

環境配慮商品・サービスの販売、CSR活動によるPR効果、
信頼性向上による取引先増加など、金銭的なリターンも含めて、
CSRがなにやら経営にプラスになると気付き始めた段階。

今回のロンドンオリンピックを始め、世界の大きなイベントでは、
社会的負荷の大きい企業を排除しようという動きが活発です。
例え、メインスポンサーであっても排除の標的となるくらいですから。
戦略的CSR(CSV)に取り組むフェーズに入ってます。

第4段階

「戦略への反映」 CSRが企業戦略の策定・実行に当たっての中心テーマとなる

CSRを推進することで得られるメリットが明確になり、
企業全体として体制作りが急ピッチで進められていく段階。

理念体系「ミッション・ビジョン・バリュー」もCSRステートメントと統合され、
きれい事のCSRからビジネスとしてのCSRが本格始動していきます。

継続的なコーズマーケティングや、戦略的寄付、NPO/NGOとのコラボレーションなど、
どうしたら自社も儲けながら、ステークホルダーがハッピーになれるか。
そんな動きが一気加速してきます。

視界が変わり、世界と社会に視点がいき、
狭いトンネルにいたようなビジョンが、開かれた世界の開放感がイノベーションの根源となります。

参照:「今年こそ見直そう!CSR再重要項目の理念体系「ミッション・ビジョン・バリュー」再考」

第5段階

「目的や使命」 CSRミッションそのものが企業の目的や使命の一部になる

自社の商品・サービスがCSR的であるかどうかなんて関係ない。
そんなの“前提”だから。そんなフェーズです。

社内でもCSRと言わず、企業文化に則した言葉に置き換えられ、
全ての社会とのつながりが、体感できるようになります。

自社のアイデンティティがもたらす、社会への影響と、
それとともに社会全体へのプラスサム経済の波及の一翼を担います。

関わるコミュニティ(例えば地域など)からは、
どの企業よりも必要とされ、尊敬され、信頼される企業となります。

参照:世界にたった1人のヒーローなんていらない。CSR推進企業パタゴニア流の未来の描き方

まとめ

いかがでしたでしょうか。

もちろん、各段階を超えていくことは簡単なことではありません。
でも不可能でもないし、実践する企業もあるのは事実です。

CSRを、“きれい事”で終わらせるか、ビジネスチャンスと捉えるか。
上記の5ステップをもとに、あなたの会社の進度を図ってみて下さい。

僕は、CSRは“ノスタルジックな夢”ではなく、“等身大の希望”だと思います。
誰が何と言おうが、CSRを進める企業はCoolだし、Excellentですよ。

そうやって、より高い価値を生み出す企業だけが、
ブランドを生み出せるってわけですね。