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コンプライアンス違反事例の最悪ケース! 企業倒産事例(2016)

コンプライアンス違反事例

コンプライアンス違反事例

帝国データバンク、東京商工リサーチの2社から2015年度(2015年4月-2016年3月)の「コンプライアンス違反企業倒産動向」が発表されましたのでシェアします。

CSRの基本(コンプライアンス順守/コーポレートガバナンス)を実行しない企業の最悪の不祥事は「倒産」です。企業規模に関わらず“一発退場”になる可能性がコンプライアンス課題にはあります。

国内の事例として、どのような企業が倒産しているのか、また、その内容・原因は何かを確認してみましょう。

コンプライアンス倒産事例

帝国データバンク

2015年度のコンプライアンス違反倒産は289件判明。前年度比3割増で過去最多を更新。
違反類型では「粉飾」が85件で最多。資金流出や詐欺などの「資金使途不正」は67件判明し前年度から4倍に大幅増加。
2015年度 コンプライアンス違反企業の倒産動向調査 件数は前年度比3割増で過去最多~成長戦略の陰で歪みが表面化

東芝グループの不適切会計、東洋ゴムの性能偽装、旭化成建材の工事偽装、など大手のコンプライアンスに関する姿勢が大きな話題となった2015年。一方で『近年の景気回復基調に伴って増加する仕事量に対し、資金繰りや社内体制強化が追い付かなくなる中小企業も多い傾向にあり、粉飾決算や融通手形、循環取引、不透明な資金操作、詐欺などの法令違反が相次いで明るみに出ている。』という状況でもあるようです。

やっちゃいけない、とわかっているのにやってしまう心理(少なくとも単純ミスとは到底思えない)は、人間ならしょうがないのでしょうか?

東京商工リサーチ

2015年度(2015年4月-2016年3月)に法令違反や粉飾決算、偽装などの「コンプライアンス違反」が一因となった倒産は190件(前年度216件)と前年度を下回った。こうしたなか、違反内容別では不正な会計処理や虚偽の決算報告書作成などの「粉飾」が前年度より増加した。大手企業の好業績が目立つなかで経営不振から抜け出せない中小企業の一面を浮き彫りにした。
2015年度「コンプライアンス違反」企業の倒産

こちらの調査でも『中小企業は大手に比べて業績回復のピッチが鈍く、今後の景気動向によっては「コンプライアンス」違反が露呈して経営破綻するケースが増加する可能性も払拭できない。』と中小企業動向についてふれられています。そうか、中小企業でもヤバい所は多そうですね。

また『粉飾決算や、脱税・税金滞納、不正受給などは業績不振の企業に多く、2015年度調査では全体の件数が減少したものの、違反内容別では「粉飾」が増加したのが目を引く。これは、アベノミクスによる景気回復の波に乗り遅れた中小企業の一端を反映したものといえる。』ともしており、この経済の歪みがどこまで波及するか、注視したいところです。

上場企業の不適切会計

上場企業で2015年度に「不適切な会計・経理」を開示した企業が、2月9日までに43件に達し、2007年4月の調査開始以来、年度ベース(4月-3月)での最多記録を更新した。
「不適切な会計・経理を開示した上場企業」調査

上場会社であれば、まさか会計ルールを知らない素人が経理や会計処理全般を担当しているわけではないでしょうし、株主という声の大きいステークホルダーがいる手前で、やっちゃいけないことが続くってホントに……。

また『経済のグローバル化によりマーケットが広がった反面、不祥事は企業存亡の危機に直面することもある。企業が社会の信頼を得るためにも、経営者はコンプライアンスを徹底する高潔な決意が求められる。また、グループ会社を含めた従業員に対して明確な経営ビジョンを示し、その実現のためにもコンプライアンスを浸透させる重い責任もある。』ともしております。

「単純なミス」ではなく、「着服横領」、「業績や営業ノルマ達成を動機とする架空売上」、「循環取引」など、コンプライアンス意識の欠落や業績低迷を糊塗した要因も多いとなると、この問題は結構根深い問題なんだなと感じます。

法令順守意識が高い企業ランキング

1、裁判所
1、住友商事フィナンシャルマネジメント
3、セコムトラストシステムズ
4、デュポン
5、三井住友カード
5、ドコモ・サポート
5、JALエンジニアリング
5、サンライフクリエイション
5、日清製粉グループ本社
10、ジェイアール東日本企画
10、EMGマーケティング合同会社
10、P&Gマックスファクター合同会社
法令順守意識が高い企業ランキング

Vorkersの調査ですが、興味深い顔ぶれです。このランキングは『社員クチコミから「法令順守意識」の評価スコアを集計』するらしくリアルなランキングになっているっぽいです。

住友、三井住友グループ企業、NTTグループなどが多くランクインしているようで、大手親会社のコンプライアンス意識の高さが、子会社・関連会社に良いインパクトを出している例が見受けられます。逆に他の企業グループは大丈夫かいな…。だって、従業員はウチの会社はコンプライアンス意識が高いとしているのだから、CSR報告書等で“盛っている”企業も多いということなのかもしれませんね…。

不適切な会計を開示した上場企業

2015年度(2015年4月‐2016年3月)に「不適切な会計・経理」を開示した上場企業は58社(58件)で、2007年4月の調査開始から年度ベースで最多を記録した。
開示企業は、東証1部が29社で全体の半数を占めた。発生当事者別は、「子会社・関連会社」が26社(構成比44.8%)と、前年度(16社)から10社増加した。
「不適切な会計・経理を開示した上場企業」調査

景気が良くなってきたという話を聞く一方、こういう状況というのは悲しいですね。

まとめ

コンプライアンス対応は、CSRの基本中の基本です。本記事であなたに伝えたいのは、会社ってコンプライアンスはもちろんのこと、CSR遵守しないことの最大のリスクは「倒産」である、という事実です。

もちろん、これは日本の法律だけではなく、国際的な規律・ガイドライン(ソフトロー)なども含みます。コストがかかるからCSRなんてしないと言わず、サプライチェーンを巻き込み、法令を順守した堅実な経営をしていきましょう。CSRは、まさにこういったリスクヘッジのためのフレームワークですから。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]