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表面化したCSR課題は本質ではない–ステークホルダー対応の別視点とは

ステークホルダー対応

表面化したCSR課題は本質ではない

ステークホルダー・エンゲージメントは、CSR活動の基本中の基本です。でも、御社は胸を張って“出来ている”と言えますか?

目に見えているCSR課題は本当の意味での課題ではない、という可能性をふまえて、CSR実施側もCSR支援側も動くと、本質的な課題解決やステークホルダー・エンゲージメントが進む可能性が高いです。不祥事が起こる企業は大抵そこがボトルネックになっていたりしますから。

本記事では、「表面化したCSR課題は本質ではない」とい可能性についてお伝えします。多くのCSR担当者が勘違いしてしまう「原因と結果」の差についてもまとめますよ。

その課題は原因か結果か

目に見えているCSR課題は、本当の意味での課題ではない。

課題が表面化する前に必ず現場で何かが起きています。つまり課題と現場の関係性は「原因と結果」にすぎない、とも言えます。しかし、多くのCSR担当者およびCSR支援をする人たちは、その表面化した課題(ここでは結果)にしか対応しない場合が多い気がします。

この結果に対する課題解決方法は「対症療法」に近いとお考えください。対症療法とは、例えば「風邪をひいたから薬を飲む」みたいな行動です。風邪という結果が出てから対処する、と。しかし、問題の本質は風邪の原因にあります。その原因に対処しない限り、来週にでもまた風邪をひいてしまう可能性もあります。それでは困ります。

そこで「睡眠・栄養をしっかりとろう」と対策を立てた場合、これは「原因療法」と呼ばれる手法となります。目の前に起きている課題解決も大切だけど、そもそも風邪をひきやすい体質を改善しよう、みたいなことでしょうか。

ステークホルダーのリスクの原因療法の手法を知っておかないと、不祥事等のトラブルの根っこは常に経営をリスクにさらします。

CSR支援側からの視点

たとえば「CSRの社内浸透が進まない」という課題があったとします。

表面化された課題を聞く限り、支援側では「新しい社会浸透プログラムをやりましょう!」となるはずです。これは「対症療法」タイプのアクションですね。

対して「原因療法」タイプのアクションは、「担当者以外のヒアリングをする」などでしょうか。つまり、CSRが社内に浸透しない理由は実施プログラムの善し悪しではなく、もっと根本的な課題を抱えている可能性が高いため、その原因を探ることが課題解決につながるのでは、という仮説検証のためにヒアリングをする、という形です。

もしかしたら、プログラムの出来など関係なく、社長の一声で一気に浸透することだって多いでしょう。そもそも、CSR担当者のCSRリテラシーが低く“まわりが愛想つきた”だけの可能性もあります。これらは、対症療法をしている限り到達することのない課題解決方法です。この考えがないと、表面上の課題は解決できても、サスティナブルなマネジメントはできません。

顕在化している課題を解決することはとても重要です。しかし、支援側としては、本来はそこから一歩踏み込んで課題を解決する必要があります。

お客様が「傘が欲しい」と言ったからといって、「私たちならこんなすごい傘売ってますよ!」だけではなく、このクライアントは傘が欲しいと言っているが、コトの本質は濡れないで移動したいだけだ、だから、カッパやポンチョ、場合によっては、軒先に屋根をつける工事の提案も必要かもしれない、といった妄想が重要だということでもあります。

もちろん、すべての場面でそんな提案ができるわけではありませんが、「目に見えているCSR課題は、本当の意味での課題ではない」可能性があるということを念頭に置くだけでも、アクションがまったく変わってくると思っています。

多くのCSRコンサルタントはこんな考えを持っていると思いますので、御社の担当者に相談してみてください。

まとめ

身も蓋もない話をしてしまえば、CSRだろうがなんだろうが、マネジメントをきちんとしないとダメってことです。

特に社外のステークホルダーはコントロールしにくいので、課題が表面化しにくい傾向があります。サプライチェーンマネジメントなんてまさにそこです。だからこそ、課題が表面化するとその対策しかしなくなって……。

あなたの考えるCSR課題は「原因」ですか? それとも「結果」ですか?

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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