CSR研修で最終的に目指すべきポイントとは

CSR教育

CSR研修/CSR教育について

あなたは「CSR研修」と聞いてどのようなものをイメージするでしょうか。

CSRにおける教育支援と言えば、学校への出前授業(出張授業)や企業の会社・工場の見学をイメージする人が多いでしょう。ステークホルダーが地域コミュニティではなく従業員であれば、社内におけるCSR啓発活動や環境教育などが挙げられるかもしれません。従業員向けのCSR教育は、CSRの社内浸透を促すための重要なプログラムですよね。

また、社会課題(イシュー)起点で考えれば、途上国支援における教育サポートなどがあると思います。「社会問題を最終的に解決するには教育を変えるしかない」と発言をする人もいるくらい重要なことなのですが、日本では認識がバラバラなカテゴリーな気がします。

というわけで、僕が思うCSR教育についてまとめます。

CSRとしての教育活動

いまや、CSRとは関係ないような文脈でも「CSR教育」みたいに使われたり、それなりの規模のイベント(フォーラム)が行なわれているようです。(決してそれら自体が悪いというわけではありませんよ)ただし、国際的というか、現代のCSRの概念とはちょっと異なるというか、そういった場の一部で偏った“CSR観”が展開されているのも事実です。誰からも指摘はないのでしょうか?

そんな疑問もありますが、では「CSRとしての教育活動」とはどんなものがあるかというと、学校への出張授業みたいなものが有名です。理想は自社製品などを使った「タカラトミー|100ねんあそぼ。~未来のために私たちができること~」というようなものが理想です。自社の製品・サービスを活かしたオリジナリティのある取組みはステキですよね。

他には、IT企業で「STEM教育」をCSR教育として進める企業が増えています。STEMとは、Science(科学)、 Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとったいわゆる“理系”の概念です。アメリカなどでは非常に重要な概念として国家的な動きをしているようです。

日本では経団連が「理工系人材育成戦略の策定に向けて」という提言で言及していますが、別に大きな動きが実際にあるというものでもなさそうな…。

社員向けCSR研修

CSR教育の対象となると、ステークホルダーは必ずしも社外の方々だけとは限りません。そう。自社従業員に対してのCSR教育です。

社外への教育サービス自体が、ISO26000でいえば、「コミュニティ参画」や「消費者課題」などのカテゴリーに入ります。自社従業員へのCSR教育(CSR研修)とは、CSR理解を促す“社内浸透”と呼ばれるものになります。カテゴリーでいえば「労働慣行」などにあたるのかもしれません。

で、僕は思うのですが、この「CSR研修」って、もっとパターンがあったほうが良いのでは、と。

たとえば、社内において、社外の方を招いた「工場見学」などは、社外向けのCSRプログラムとしてではなく、社内のCSR研修としても面白いと思うんですけどね。大企業だと自社従業員でも工場勤務ではない人はほとんど知らないでしょうから。そこで、どうやって環境配慮施策を実施しているかとか、工場の人事戦略はどうやるかとか、座学のCSR研修と合わせて実施するととてもよいプログラムになると思います。

逆に、この教育コストを取りたくないとなると、厄介な問題に突き当たってしまいます。いわゆるセルフチェックができなくなるのです。知識がないがために「国際的なガイドラインでこうなっているから」、「他社がこうやっているから」と自分たちで能動的に考えることができなくなってしまいます。思考停止状態です。

つまり、「なぜ」がないんですよ。「なぜこのCSR活動をしているのか」と聞かれても答えられないのです。ガイドラインなんて所詮ガイドラインであり、絶対服従の法律・法令ではありません。CSR活動の意味・意義を理解していないって相当危険だと思います。

子どもにプログラミング教育はするわりには社内のCSR研修が手薄な企業って、特にIT企業には多いように感じています。まぁ、社内でCSR研修するより、社外の出張授業に行くほうが“楽”ですから、そうなるんでしょうねぇ。

CSRが社内浸透しない理由

・従業員がCSRに興味がない(または会社自体がCSRに興味がない)
・会社が短期的なリターンのみを考えたプロジェクトや支出をしている
・CSR担当部門はあるが権限がない。あるいは組織上関係のないところに位置づけられている
・CSR担当部門のリーダーシップのスキル(他部門との協働・連携、コミュニケーション、チームビルディング、ビジョンなど)が不足している
・組織が縦割りで、従業員が自分の領域だけに固執し、他部門と連携が取れていない
・組織内で、CSRに関する価値を見出せていない
・企業にCSR戦略がない。あるいは弱く機能(浸透)していない
・マネジャーなどの管理者のCSRへの理解が不十分で、従業員のCSR活動のサポートをしていない(できない)
インテルにできて、日本企業に足りない戦略 なぜ従業員にCSRが浸透しないのか

記事で指摘されているポイントは、まさに!と思います。ただし、これらの課題が仮に見えていたとしても、改善するとなれば相当なハードルを超えなければいけないのは間違いありません……。CSR教育って重要ですね。

まとめ

CSR教育は大事と言っておきながら、色々な方向に話題が飛んでしまいましたが、言いたいことは社内外のステークホルダーに適切な教育サービスを提供し、企業価値向上につなげていきましょう!ということです。

すでにCSR教育を実践されている企業も多いと思いますが、今一度、社会的インパクト評価を中心に見直してみるとよりよい活動になるかもしれませんね。

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