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ミレニアル世代にCSR・社会貢献情報をどう届けると効果的か

CSRミレニアル世代

ミレニアル世代とCSR

何隠そう、私、1981年生まれのミレニアル初期世代です。

ここ数ヶ月は、企業のCSR担当者からのご発注での仕事より、事業会社の新規事業やマーケティング担当の方からCSR支援ビジネス的なご相談が増えています。そこで、良く出てくる単語が「ミレニアル世代」です。様々な定義がありますが、1980〜2000年に生まれた世代のことを指します。日本でも大きな集団となっており、2,000万人以上います。ですので、BtoCの会社がこの層にどうやってアプローチするか悩んでいると。

世界中である程度共通の傾向があるらしく、それが「デジタル・ネイティブであること」や、「社会貢献的な意識を持っている」ということ。エビデンスに関しては後述しますが、これは日本でもアメリカでも同じ傾向があるみたい。

そこで、ミレニアル世代に商品・サービスを買ってもらうために、社会的側面をアピールできないか、という流れでございます。ミレニアルズに企業が同調していくことで、より企業の社会的側面の注目度が上がっていく、非常に良い循環のようにも見えます。今の所。

で、日本でCSR普及期に入った2003年が「CSR元年」と言われてます。1980年代前半生まれの人たちが大学を卒業し社会人になるのがちょうどCSR元年と重なるのです。社会人になったころは、すでにエコ(環境活動)とかブラック(労働問題)とかが話題になる時だったと。ですので、僕は日本のミレニアル世代は「CSRネイティブ」な世代だと考えています。

ミレニアル世代の特徴

ミレニアル世代の特徴として様々なメディアで言われているのはだいたい以下のようなものです。

・派手な消費を好まない
・世界で相当な人数を抱える世代層である
・物心がついた時にインターネットがあり、デジタルに抵抗がない
・多くの企業がこの世代へのアプローチに苦戦している
・「社会貢献意識」が他の世代に比べて高い
・CSRネイティブな世代でもある

もちろん、ミレニアル世代に近い「ジェネレーションY」(1975〜1989年生まれ)も、社会貢献意識が高い人が多いとされています。ミレニアル世代と重なる「1980年代生まれ」の人たちの動きは今後、日本でも要チェックかもしれませんね。

参照記事
米国のミレニアル世代・ジェネレーションZに効果的なブランド構築方法
スーパーボウルはアメリカ企業の最重要ターゲット「ミレニアル世代」の興味を引けるか?
ミレニアル世代「引き止め策」に翻弄するエージェンシーたち:マニキュアしながら人事評価も!?

マーケティング的視点とCSR

ただし、ミレニアル世代には「社会貢献に興味がある人」が多いからといって、「環境・社会に配慮した商品」が売れるとは限りません。ミレニアルズと、商品・サービスに「相関関係」があるとしても、それは結果論であり「因果関係」はない場合も多いと思います。

これはミクロとマクロの差とも言えるかもしれません。つまり、商品が“売れた・売れる”という結果(ミクロ視点)ばかりでは、再現性のある話なのか、マーケティング・ターゲットを広くした時にも通用する普遍性(マクロ視点)のかわかりません。

元々興味がある層ならすでに、社会貢献的な服・靴・コスメなどを持っている可能性も高いし、例えば、フットサルに興味があっても価格・機能性を検討した結果、エコでも何でもない老舗フットサル専門メーカーから買うということもあるでしょう。社会貢献は購買要素の1つであって、すべてではありません。

このあたりを、企業のCSRや社会貢献を絡めた、ミレニアルズへのマーケティングで考慮すべき点でしょう。社会貢献ありき、ではなく、商品価値ありきで、プラス要素としての社会貢献という視点です。

例えば、ガチな社会貢献に興味がある人でNPOに勤めていても、オーガニックコットンの服はほとんど持っていない人が多いです(当社比)。この当たりの視点がないと、99%失敗します。

まとめ

ただ日本はアメリカとちょっと違って、このままいけば超・少子化の傾向が強くミレニアル世代以下をターゲットしたビジネス市場(人数)の拡張は未来永劫訪れません。いや、少なくなる一方の世代だからこそ、一人ひとりのステークホルダーに、丁寧に接する必要があるのかもしれません。

日本で「就活生にCSR情報を」みたいな文脈が浸透してきているのも、こういった背景と無関係ではないでしょう。でも、日本と世界、そして日本でも都心と地方、などでビジネスや消費に関する意識差はあります。

ただ、ミレニアル世代だろうがなかろうが、ステークホルダーとなる人たちを1人でも巻き込み、CSR・社会貢献活動を行なう必要があるのは間違いありません。マーケティング戦略思考はいいのですが、CSRの本質だけは忘れないよう、お気をつけください。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]