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ステークホルダーエンゲージメントにおけるKPI設定とコミュニケーションのあり方

ステークホルダーエンゲージメント

KPI設定とステークホルダーエンゲージメント

先日、CSRにおけるデジタルコミュニケーション(ウェブコミュニケーション)に関してのセミナー講師をして、よくある質問をいくつかいただいたのでメモしておきます。

セミナーでもCSRコンテンツの指標がPV(アクセス数)という企業は多かったのですが、訪問する人が多ければエンゲージメントしているかというとそうでもありません。ロイヤリティも高まったとも言えません。

そして、BtoB企業はBtoC企業ほどCSVやらCSRコミュニケーションはうまく出来ないという意見もありました。確かにそのような側面も多々ありますが、すべてがそうかというとそうでもありません。

というわけで、「BtoB企業のCSRコミュニケーション」と「CSRコンテンツのKPI設定」についてまとめます。

BtoBのCSRコミュニケーション

CSR支援の仕事をさせていただいていると、BtoB企業のCSRコミュニケーションは、改めて千差万別で統一見解となるベストプラクティスってないな、とも感じます。

BtoB企業はCSR戦略として、サプライチェーンマネジメントを重視するとか、中期経営計画にCSR視点を組込むなどがあります。しかしコミュニケーション活動となると、どこの誰にCSR情報を届ければいいのかわからなくなるケースがたくさんあります。

僕はこの答えの1つとして、先日から言っている「会社案内との統合」があります。BtoBだからこそ、会社案内を配布するステークホルダーと、CSR報告書を配布すべきステークホルダーが重複すると感じているからです。

ではCSR報告書ではなく、CSRのウェブコンテンツならどうか。これも、コーポレートサイトを訪れるステークホルダーの層とCSR情報を届けたい層は重複すると想定されます。

つまり、BtoBだからこその、CSRコンテンツやCSR報告書の成果につながる発信の仕方はあるのではないか、と。

CSRコンテンツ

CSRコンテンツの話を『CSRデジタルコミュニケーション事例–CSR特設サイト10選』という記事でも紹介してきましたが、ここで問題となるのは「KPI」(重要指標)です。

CSRコンテンツのアクセス数を目標数値としている企業は多いと思いますが、コンテンツに興味がない人にアクセスしてもらっても意味がありません。CSRコンテンツのKPIとすべきは「リアクション数」です。ここがコンバージョン(行動変容点)となります。

CSRコンテンツの最終的なゴールは何でしょうか。つまり、CSRコンテンツにユーザーが来てくれた時に“どんな成果を期待するのか”ということです。これをコンバージョンと呼びます。

CSRコンテンツはあくまで“場”にすぎません。そこにどんなに人を呼べても意味がありません。真の成果は“CSRコンテンツに来た人が起こしたアクション”です。

ですので、CSRコンテンツにおいて想定されるKPIは、「アンケート回収数」、「主催CSRイベントの申込者数」、「CSR報告書ダウンロード数」、「自社環境配慮商品が掲載されるショッピングサイトへの送客数」、「ページのシェア数」、「会員登録・メルマガ登録者数」などが挙げられます。

良いCSRコンテンツとは、リアクションが多いコンテンツです。どんなにキレイなデザインで、どんなにCSR情報が網羅されているとしても、リアクションがないコンテンツは「良くない」とも判断できます。

もちろん、CSRコンテンツとCSR報告書の基本的なKPIは統一すべきだし、その整合性を保つために、CSR担当者だけではなくサイト管理担当者もできれば制作打合せに参加すべきだと思います。また、リアクション以外にもKPIは設定すべきなので、総合的な判断はもっと複雑になります。

コンテンツページに1万人来てリアクションが10人と、100人来てリアクションが10人でも、成果は同じです。「PV至上主義」からの脱却を計り、成果にフォーカスしたCSRコンテンツを作っていきましょう。

まとめ

CSRコンテンツやCSR報告書におけるコミュニケーションといっても、フローは複雑なものではありません。

これはCSRだけではありませんが、「社会の正論」が必ずしもステークホルダーの価値観に合うとは限りません。情報を届けるステークホルダーの情報ニーズも加味しながら、CSRコミュニケーションおよびCSRデジタルコミュニケーション戦略をしていくべきなのです。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]