エコキャップ問題が示す、日本的CSRの課題と失敗例

CSR失敗

日本的CSRの課題と失敗例

先日、「エコキャップ」を巡り、各メディアが大いに盛り上がりました。

■なぜボトルキャップでなければならないのか
エコキャップ推進協会

例えば、「エコキャップ CSR」と検索すると、色んな実施企業のページがヒットします。大手企業から中堅・中小企業までたくさんです。CSR評価をする人間としては「来年どうするんだろう、ステークホルダーになんて説明するんだろう」と気になってしまいます。

というわけで、本記事では、CSRにおける活動のプロセスとリスクに関してまとめます。CSR活動の失敗をそのままにせず、次の活動に活かせるようヒントとなれば幸いです。

成果物だけではなく、プロセスの計算も

僕は、この活動自体を批判するつもりはありませんが、やはり前述の記事で指摘のあるとおり、社会的なインパクトを考えた時の効率はお世辞にも良いとは言えません。

例えば、物品寄付などは運送などのプロセスがあり、そこでエネルギー消費・CO2排出があるわけで、ワクチンを寄付するために環境負荷を増やしていいのか?という課題にもつながってしまいます。

他にも、CSR報告書の紙は各社エコなものを使っているようですが、そのエコな紙を“地球の裏側から運んできた”としたら、運送の環境コストが多くかかり、トータルでむしろ普通の紙より環境負荷が高くなる可能性だってあります。

何事にも完璧はないということは重々承知ですが、このペットボトルキャップのリサイクル運動に参加していた企業は、CSR活動を今後どうしていくのかという課題が残ります。失敗しても他のNPOがあるとはいえ、なかなか難儀な問題です。

CSRのコストという課題

どうやったって、CSRは短期視点でコストになります。また社内にCSRの専門的な知識を持っている人がいることは皆無ですので、社外のリソースを使わざるを得ません。

将来的に企業価値向上につながるのがわかっていても、初期投資(人・予算)が必要となると経営判断としてNGが出る。だから上場会社と言っても、兼任ですらCSR担当者を置いていない企業も多い。

そうなると「私たちのCSRとは何か」という課題すら生まれない。自社の事業活動におけるデメリットやリスクも語られないという問題点もある。

なので、大小問わずコストがかかるため、どうしたって少ないコストで何かしらの社会貢献活動を始めようと試みます。そうすると「ペットボトルキャップ集め」や「会社まわりの清掃活動」などを始めるのです。

気軽な活動は、CSR調達というか監査も甘くなり、今回のような報道があってから後手後手の対応になってしまいます。そうなってくると、社会貢献活動としては、NPOへの直接寄付が一番手軽で、成果も見える化しやすいのかもしれません。

CSR活動のリスク

CSR活動の失敗はともかく、デメリットや問題点・課題を指摘してくれる第三者視点がないことが一番の企業の課題なのかもしれません。

とかく、恥ずかしながら僕もですが、CSRコンサルティング会社やCSR報告書制作会社は「CSRの必要性とメリット」をひたすらアピールします。会社にとってマイナスなこととなるリスクの指摘はほとんど行なわれていないと思います。

だって、ダメなの指摘して担当者の機嫌を悪くして仕事をもらえなかったイヤじゃないですか。僕はそれをよかれと思って言ってしまうのがよくないんですよね…。色々反省しております。

CSRは「リスク&オポチュニティ」なんて言われますが、組織としての基本であるリスクマネジメントの方が重要だと思います。CSR報告書で「第三者意見」や「第三者保証」がなぜあるかということを知っていれば、今回の件は少なからず回避できたのかもしれません。

まとめ

CSR活動において、寄付先のNPOを含めて、CSR調達をしっかりやりましょう。

今後、この騒動がどこで着地するのかわかりませんが、コストは幾分かかかっても、CSRのことがわかる、しかるべき人や会社にまず相談したほうがいいと思います。

そこで数万・数十万円をケチって、今回みたいになんかえらいことに巻き込まれたぞ、って後手にまわるよりよほど良いと思うのですが…。今日はこのへんで。

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