CSR評価の高い企業・トップ20の、CSR報告書を改めて読んだ件

CSR報告書

トップ20のCSR報告書はいかに?

先週、ウェブでも東洋経済CSR企業ランキング「最新版!「CSR総合ランキング」トップ700社」(2015)が発表になったので、上位20社のCSRコンテンツ(CSR報告書)を改めて見てみました。

基本的には情報開示レベルが高い企業がランキング上位にくるので、同業種でなくても参考になる例は多いと思います。とりあえずトップ20社だけなので、CSR報告書を全社分ダウンロードして目を通しておきましょう。

CSR評価の高い企業・トップ20

1、富士フィルムホールディングス

http://www.fujifilmholdings.com/ja/sustainability/

僕は「サステナビリティレポート2014」の洒落た表紙は、良い意味で期待を裏切っている所が好きです。また、ここはCSRの中期経営計画を別途開示しており、将来価値可視化と情報の網羅性が進んでいます。さすがと言った所でしょうか。

2、NTTドコモ

https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/

NTTドコモは、GRIにそった情報開示をしており、網羅的開示のお手本のような「サスティナビリティレポート2014」となっています。全方位を極めんとする開示は企業姿勢が顕著に出ている、という見方もできます。

3、デンソー

http://www.denso.co.jp/ja/csr/

デンソーは最近評価高いですね。「CSRレポート2014」は、あまり話題にはなっていないような気がしますが…。個人的には別冊の「CSR絵本:デンとソーのしあわせづくり」というのが気になってます。でもダウンロード期間が終わってリンク切れになってる…?「ご覧下さい」って書いてあるのに?

4、富士ゼロックス

http://www.fujixerox.co.jp/company/csr/

僕としては、「CSRは経営そのもの」というトップコミットメントが好きです。意外に経営とCSRは未だ別モノと認識している企業も多い中、メッセージとして明文化するのは素晴らしいことだと思います。

5、日産自動車

http://www.nissan-global.com/JP/CSR/

「ブルーシチズンシップ」というワードを作り、自社らしいCSR活動を表すことはオリジナリティがあって良いです。個人的には、活動紹介動画が好きです。CSR報告書を読むには結構なエネルギーが必要ですが、4分の動画ならトピックスをサクッと把握できますし。

6、コマツ

http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/csr/

コマツは、CSR報告書と環境報告書を分けてリリースしています。情報開示の量としては素晴らしいのですが、読者としては1冊にまとまっていた方が読みやすいですかねぇ。個人的に良かったのは、開示したがらない企業が多い中、工場で起きた死亡事故に言及していることでしょうか。

7、キヤノン

http://web.canon.jp/csr/

キヤノンは、特筆すべき何かがあるというよりは、全般的に優等生なイメージ。ここの「サスティナビリティレポート2014」表紙が好きです。ちなみに、僕の今のカメラとレンズはニコンです…。ごめんなさい…。買い替えのタイミングではぜひ検討させていただきます。

8、トヨタ自動車

http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/

トヨタのウェブサイトはキレイですよね。ごちゃごちゃしておらず、見やすくて良いです。2014年版では、特集もウェブで公開されているのですが、このクオリティがハンパないっす。
ただ一つ悲しいのは、ソーシャルボタン(TwitterとかFacebookとかのアレ)が設置してあるのに、1回もシェアされてないこと…さすがにかっこ悪いので2015年版ははずしたらどうでしょうか?

9、ブリヂストン

http://www.bridgestone.co.jp/csr/

ブリヂストンも2014年はCSR報告書と環境報告書を分けて発行していますね。色々なコンテンツがあるのは素晴らしいですが、ちょっとバラバラ感があるという印象を持ってしまいます。

10、リコー

http://jp.ricoh.com/sustainability/

リコーは、海外でのCSR評価も高い企業の一つ。報告書の図とか数字の入れ方が、奇抜でもなく、かといって堅すぎず、非常にバランスが取れているのが印象的。
個人的には、CSRコンテンツの「複合機の一生」が好き。「CSR調達」とか「サプライチェーンマネジメント」という単語を知らない人でも理解しやすいと思います。ただ、登場人物のキャラが濃い(!)

11、味の素

http://www.ajinomoto.com/jp/activity/

味の素は、「いのちのための活動紹介」が僕はキラーコンテンツだと思っています。「本業でCSR」を見事に表したものだと思います。「東日本大震災に関する影響と取り組み」というコンテンツも今年になってリニューアルしてあるところも好感触。震災復興系コンテンツがどんどん減っている中、リニューアルしてさらに継続しようする姿勢は見習う必要がありますね。

12、NEC

http://jpn.nec.com/csr/ja/

NECは「NECのCSR活動事例「7つの社会価値創造テーマとNECの取り組み」」という記事でも紹介したのですが、CSR報告がしっかりしているというより、かなり高いレベルで事業活動の社会性を実現しようとしている点が素晴らしいですよね。ありそうでなかった視点です。

13、ダイキン工業

http://www.daikin.co.jp/csr/

ダイキンは、CSR評価でも環境分野がかなりの高得点でしたね。関係ないですが、前のマンションのエアコンがダイキン工業のもので、修理の時のカスタマー・サポートの方が非常に良かった印象があります。

14、東芝

http://www.toshiba.co.jp/csr/jp/index_j.htm

東芝のCSRは、国内外で評価が高いですよね。今年はランクダウンしてしまいましたが、ESGはすべての領域でトップレベル。「東芝グループ 社会貢献一斉アクション2014」という、グループ従業員20万人が参加するイベントが方々で話題にもなっていました。

15、KDDI

http://www.kddi.com/corporate/csr/

KDDIは、CSR報告もさることながら「キボウのカケハシ」という、クリック募金などのコンテンツを運営しています。ただ、インパクトとアウトカムがわかりにくいのが難点。

16、アサヒグループホールディングス

http://www.asahigroup-holdings.com/csr/

飲料系でCSRが話題になる企業はサントリー・キリンが多いように感じますが、評価が高いのはアサヒなんですね。なるほど。アサヒはCSRコンテンツとして「お酒ダイアリー」なるセルフチェック・コンテンツを設置しています。やってみようかな。
全く関係ないですが、僕はワインが好きなのですが、エノテカがグループになったのが印象的。

17、JT

http://www.jti.co.jp/csr/

JTのCSRは、NPO支援も特徴的なのかな。もちろん、今回のトップ20でNPO支援をしている企業がいくつもありますが、ボチボチ大きな金額を拠出しています。

18、ホンダ

http://www.honda.co.jp/corporate/csr-environment/

前回のランキングが28位からジャンプアップしての18位。情報量が結構あり、どれから見ればいいか迷ってしまいます。アンケートを積極的にもらおうという姿勢はエンゲージメントにつながるし、非常に良いと思います。

19、旭硝子

http://www.agc.com/csr/

旭硝子は、地味というと語弊があるかもしれませんが、地道に様々な活動をしています。ちょっとCSRコンテンツが全体的に見にくいのが残念な所。あと、CSR報告書のアンケートに答えると100円寄付できるみたいです。

20、アステラス製薬

http://www.astellas.com/jp/csr/

完全なオリジナル・プログラムではないですが「グリーンリボンキャンペーン」を全面的に支援しているようです。こういう他社との協業みたいなものはエンゲージメントのきっかけになるし、良いことだと思います。

まとめ

CSR報告は統合報告書との兼ね合いもあり、IR的な要素がどんどん入ってきている印象があります。でも、トップ20を見ると、統合報告はなかったかな。

また、読者ターゲットを絞るのか、それともよりマルチステークホルダーを意識するのか、企業によって様々だと思いますが、とにかく情報開示の質より量なのかなとも思います。

各社6〜9月くらいに2015年版を発行すると思うので、それらもあわせてチェックしましょう。しかし、GRI対照表載せる企業が増えてきてますよね。世界的には、日本企業が大好きな「ISO26000」ではなくGRIですよね。

今年のトップ20の中で何社か、CSR担当者の方とお会いしたことがありますが、この春の人事異動でちょっとした入れ替えがあったりで、心機一転、更に邁進していく雰囲気でしたのでした。来年はトップランカー企業を揺るがす下克上があるのでしょうか。非常に楽しみにしております。

一度開示した情報は、原則的に嫌でも来年にまた開示しなければなりません。逆に、一旦情報開示することで、強引にでも社内のコンセンサスにつなげるという技もあります。というわけで、参考になれば幸いです。

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