企業が持つ災害支援の可能性

先日、民間防災および被災地支援ネットワーク(CVN)が行った「災害支援の手引き」発刊記念イベントに参加してきました。

詳細レポートに関しては、オピニオン・キュレーションメディアBLOGOSの「特集:ブロガーが見たソーシャルイノベーションのいま」で後日公開させていただきます。

「災害支援の手引き」は、どちらかといえば、企業がどう社会貢献としての復興支援をするか、より、自社の安全性確保、ビジネスの継続などを考慮した、いわゆるBCP(事業継続計画)の話が多いです。

東日本大震災で実際に失敗した事、成功した事を企業自身がまとめているだけあって、かなり実務的な内容になっております。

災害支援の手引き

企業事例としてあがっているのは、東京トヨペット、日立ソリューションズ、ブリヂストン、オルビス、モトローラ・ソリューションズ、パルシステム、富士ゼロックス、サノフィなどなど。

事例数はそこまで多くないようですが、実務的な話はとても多く、自社の対策も、社会へのアプローチ方法も細かく書かれています。

こんな手引きがあるとは…。もっと事例や意見などをまとめて、一般書籍にすればいいのに…。イベントでは、これが完成ではなく、これからも追記・修正をしていくと言っていたので、来年あたり実現しちゃうかもしれませんね。

▶災害支援の手引き

目次

自分たちの経験が今後の災害時に少しでも役立てればとの思いのもと、民間企業のCSR(企業の社会的責任)担当者、現場で支援を行うNPO、その調整に当った中間支援団体などが集まり、全員ボランティアで執筆・編集作業に当たりました。手引き書には、「ヒト、モノ、カネ、情報」の分野で、災害支援を実行するに当たっての社内調整の裏話、苦労・工夫した点などの具体事例や、実務上のノウハウが掲載されています。

○第1章:災害が起きたときにやること、起きる前にやること
・発災時起点で見る災害支援の全体像
・社内調整、意思決定
・情報収集
・社外とのネットワークづくり

○第2章:ヒトの支援
・フェーズと求められるボランティア
・人を送るための社内体制づくり
・一般的なボランティアを送り出すための実務
・活動後

○第3章:モノの支援
・いつ、どこに、どのような支援物資が必要か?
・企業にふさわしい支援物資とは?
・情報収集のポイント
・被災地へどのように物資を届けるか?

○第4章:カネの支援
・義援金と支援金の違い
・いざ!おカネで支援
・資金の確保

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この資料が無料で読めるってのがまたすごいですね。現場の担当者は、ぶっちゃけ、めっちゃこういうの欲しがってたし。

東日本大震災はとてもとても大きな災害でした。企業がすべきアクションも多くの人が理解できたと思います。

しかし、まだまだわからない仕組みや制度、被災直後の現場の空気感などはあると思います。ぜひ、この手引きを参考にしていただき、自社も社会も守れる企業を目指していきましょう。

個人的には、日頃から「社外とのネットワークづくり」をしておくことがとても重要だと思っています。

上場会社といえど、企業1社だけで、何か大きな社会的なインパクトは起こせません。NPOや他社のCSR担当者などとコミュニケーションを定期的にとっておき、いざとなった時のためにネットワークを作っておくことが大切です。

明日、居住地近辺で大地震があったら、御社は生き延びる自信がありますか?

▶民間防災および被災地支援ネットワーク