募金で社会は変えられるのか?
店頭(レジ)における米国コーズマーケティングの2012年ランキングという記事を読んで、日本ではどうなんだろと思い、まずはコンビニ業界から調べてみることに。
2012年、米国では、店頭(レジ)で寄付を募るコーズマーケティング手法により、358百万ドルの寄付を獲得したとのこと。約360億円ですね。日本では、2012年は東日本大震災の翌年ということもあり、それに匹敵する金額が集まったと思われますが、実際どのレベルなのか想像できません。
本記事では、日本人に馴染み深い、コンビニの店頭募金について、ちょっと調べたものを紹介したいと思います。
いわゆる募金はコーズマーケティングというわけではないのですが、著名コンビニの規模で言えば、相応の社会的インパクトのある金額になると思います。
このあたりはCSRではなく社会貢献活動(慈善活動・フィランソロピー)と呼ばれる領域かもしれません。CSRと社会貢献活動の違いがどうなのか、という話はそこまで重要ではない気もしますね。
コンビニ店頭募金の6事例
1、セブンイレブン
全国のセブン-イレブン店頭に寄せられたお客様からの募金は、(株)セブン-イレブン・ジャパンからの寄付金と合わせて、環境をテーマにした市民活動の支援や自然環境保護保全活動に使われています。
(セブンイレブン|セブンーイレブン記念財団)
2004年度からずっとしている活動だそうです。へー、マジすごいやん。10年じゃん。毎年億単位の金額になっているようです。東日本大震災の時は約17億。すごいインパクトですね。2012年度(2012年3月〜2013年2月)は、約4億9000万円。
2、ファミリーマート
ファミリーマートは「ファミリーマートらしい」社会貢献活動を進めております。その一環として、これからも「ファミリーマート夢の掛け橋募金」を通じて社会貢献活動に取り組むNPO/NGOを積極的に応援してまいります。
(ファミリーマート夢の架け橋募金)
ということらしいです。ウェブを拝見する限り、店頭募金はすべて海外のNPOに寄付されるようです。
企業ごとの方針があるとは思うのですが、地域密着型のコンビニだからこそ、地域に還元できるような仕組みがうれしいですよね。2012年度(2012年3月〜2013年2月)は、約2億3700万円。
3、ローソン
ローソングループは、「緑」と「子どもたち」への支援を社会貢献活動の中心として取り組み、店頭募金についても、「ローソン緑の募金」と「夢を応援基金」を地域や期間を設定して実施してきました。これからは、従来の寄付先に東北の学生を支援する「TOMODACHI募金」を加え、全国統一の包括的な「ローソングループ”マチの幸せ”募金」の名称で実施していきます。
(ローソン、店頭募金)
ローソンは個人的によく使わせていただきます。1992年度からやっているとは知らなかった。もう丸20年もしているんですね。素晴らしい!2012年度は、約5億円。
その他
4、デイリーヤマザキ
2011年の東日本大震災があった時はあったのですが、ウェブサイトには特に記載はないようです。同社のCSR報告書によれば、東日本大震災緊急援助募金は約7200万円を集めたとのこと。
5、サークルK・サンクス
ここは面白いスタイルで店頭募金をしていますね。期間(約4ヶ月ごと)で区切り、所定のNPOに寄付しているようです。2012年度は約7300万円。
6、ミニストップ
CSR報告書のクオリティの高さで有名なミニストップ。店頭募金はしていますが、2012年のデータはウェブやCSRレポートにはなさそうな…?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
コンビニエンスストア業態の各社は、店頭募金以外ににも何かしらの社会貢献活動をしていますし、店頭募金だけがCSR活動なのかというとそうではありません。
しかし、改めて振り返ってみると、なかなか興味深いデータだったと思います。都市部では、生活にかかせないコンビニ。だからこそ、消費者やその地域の人たちとのつながりは重要だと思います。
こうやって考えると、店頭募金って、企業とのコミュニケーションな気もします。きちんと金額を公開して、その使用用途や、その結果、社会の“何”が変わったのか、SROI的な視点をもったCSR報告などがあるとなおよいですね。
今日、コンビニを利用するという方は、レジ横に置いてある募金箱を、チェックしてみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれませんよ?
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