SDGsアイディアブック
今回の読書メモは「未来を変える目標 SDGsアイデアブック」(Think the Earth、紀伊国屋書店)です。
以前「希望をつくる仕事 ソーシャルデザイン」(宣伝会議、2013年)という本がありましたが、それと同じような作りで、事例解説の書籍となっています。事例は「未来を変えたアイデア」を軸に紹介されてます。プロジェクトベースなので企業事例はありません。NPOや単発のソーシャルビジネスがメインです。
帯に「子どもから大人まで」とあるとおり、読みやすく書かれているのが良いです。事例集なので、SDGsを経営統合するといった企業側のものではなく、イシューベースといいますか、17のゴールで事例を紹介している形です。まぁ、そもそもSDGsは企業用のフレームワークではないので…。
唯一の企業としては吉本興業があります。SDGs界隈では有名な事例です。SDGsに詳しい芸人さんはいないと思いますが、それぞれがそれぞれでできるアクションをしているのが素晴らしいですね。
ひとつ残念なのは、有名人というかその筋の人が身内でまとめた感があって、ダイバーシティがないというか、ポジティブな側面ばかりでもう少し危機感というか、一歩踏み込んだページも少しくらい欲しいかな。論文とは言わないけど書籍なので、両面提示できていないとなるとミスリードされる可能性も高いので、このあたりはもうひとがんばりしてほしかったです。他にもコメントしたい箇所はいくつもありますが割愛。
とはいえ、SDGsの入門としてはかなり理解しやすい内容ですし、一冊手元にあってもよいと思える本でした。CSRというよりは、SDGsそのものの理解を進めたい方におすすめです。
SDGsアイディアブック
本書はSDGsをわかりやすく、楽しく知ってもらうために、インフォグラフィックや写真、マンガなどを使い、17個の目標の説明、優れたアイデアに焦点を当てた世界の活動34事例を紹介。また、環境問題や金融、福祉、テクノロジーの専門家など14名の執筆者のコラムも掲載し、読者の学びの心を刺激する書籍になりました。