慈善/フィランソロピー活動
CSR活動というと、いわゆるリスクマネジメントが大きな割合を占めるということは皆様ご存知の通りです。
しかし、たとえば社会的責任のガイドライン「ISO26000」で言われるような「コミュニティへの参画」のように、慈善活動/慈善事業(フィランソロピー)なども重要なCSRであるとされています。
で、このフィランソロピーの難しい所は「経営者の個人的感情が大きく影響しがち」という所ではないでしょうか。社名は言えませんが、なぜこの上場会社はこのNPOに寄付しているのだろうと思い中の人に聞いてみたら、「実は社長が決めていて・・・」みたいな回答て多いんですね。良いか悪いかは議論があるかもしれませんが。
この富裕層といいますか、企業の社長の活動と企業のフィランソロピー活動が連動することも多く、どこまでロジカルに説明できるかが課題だったりします。フィランソロピーは、本業とは必ずしも近い領域とは限らないため、的確にステークホルダーに説明する必要があります。
というわけで、本記事では倫理観や慈善活動/フィランソロピーに関しての記事をいくつか紹介したいと思います。活動のヒントになれば幸いです。
慈善/フィランソロピー活動
ベンチャーフィランソロピー
・新経済連盟/新年会に600人参加/16年テーマは「フィランソロピー」
・4月14日、自民党公益法人・NPO等特別委員会でベンチャー・フィランソロピー、社会的インパクト投資についてプレゼンしました
新経済連盟では、2016年はフィランソロピーがテーマだそうです。経済団体がCSRやエシックス(企業倫理)ではなくフィランソロピーをテーマにしたのは非常に興味深いアクションです。まさか、2017年になったら、一切言及しなくなる、ということはないと思うのですが…。
大手企業の社長の名前のたくさんあるので、各社社長への影響も大きいかも!?
ビルゲイツ氏
・世界の貧困を終わらせるために、私たちができること 〜ウェブ時代の「倫理的な生き方」とは?
世界最大のフィランソロピスト(慈善活動家)といえば必ず名前の挙がる、マイクロソフト創業者のビルゲイツ氏。ノブレスオブリージュ的な発想は、CSRというより、もはやソーシャルセクターのフレームワークに近いです。“無意味な善行”は、フィランソロピーではありません。このあたりは、記事で紹介されている書籍とかも合わせて参考にするとよいかもしれません。
ザッカーバーグ夫妻
2015年12月、Facebook創業者のマークザッカーバーグ氏が保有する株の99%を生涯にわたって寄付すると発表し、メディアがわきました。だって5〜6兆円という金額相当のインパクトなんですから!
で、これはFacebookという法人のCSR活動ではないものの、世界トップクラスの企業の代表となると、企業=創業者みたいなところがあり、一部、CSR的な波及効果もあるとは思うんですよ。日本でも有名企業の代表が東日本大震災(2011)や熊本地震(2016)の時に個人名義で寄付を発表したのはご存知の通りです。
調べてないのですが、代表の寄付を企業としてプレスリリース出した所ってあるのかな?見せ方を間違いなければ、嫌みではなくうまくPRできそうだけど…?
参考記事
慈善活動(社会貢献活動)からCSRを考えるのに学びのある記事も合わせて紹介します。
・「社会貢献」から「企業価値そのもの」へ~ビジネスにおけるCSRの取り組み
・全国の20~40代女性【ファッションに関する調査】 知っている社会貢献活動1位「古着を送る」39.3% 「“フェアトレード”はこれから広まる」過半数が回答
・社会貢献しながら節税もできる!? 法人・企業寄付5事例
・アメリカにおける企業寄付と、日本のメセナの実態
・CSR/社会貢献でスポーツ支援をする、企業の戦略的フィランソロピー
まとめ
ちょっと事例がフィランソロピーから遠い事例もありましたが、世の中には慈善活動やらフィランソロピーなどがたくさんあり、色々な背景があってそれらが存在するんだなって感じてもらえたら幸いです。
やっぱりCSRとフィランソロピーって違いますよね。CSRは「ステークホルダー・ベース」でフィランソロピーは「イシュー・ベース」というか。仮に同じ活動内容だったとしても、視点が違うので、見せ方が変わってきます。
今回引用した事例(記事)は、CSRとは違う純粋な慈善活動でしたが、どんな背景だったとしても、社長(従業員)が1秒でも動き、予算が1円でも動く以上、それは企業活動です。CSR報告書やCSRウェブコンテンツでステークホルダーへ適切な開示を行い、信頼獲得・評判向上などにつなげていきましょう。