女性活躍推進のメリットとは

今回の読書メモは「女性活躍 最強の戦略」(小室淑恵、日経BP)です。

女性活躍推進(女性活用)や、ワークライフバランスに関するテクニカルな話というより、対談や社会状況をまとめた解説集といったところでしょうか。小室節が炸裂しており、既存の著書を読んでない方のほうが新鮮に読めるかと思います。

現代社会において、女性の活躍推進を行なうことは絶対的な正義であり、企業価値向上につながる重要な組織戦略です。ブランドなどの価値向上、価値形成にもつながり、ひいては持続可能な企業価値向上にも貢献しうる話です。

これらは、企業の外部要因から選択と集中を行なう「ポジショニング戦略」の対極にある、「ケイパビリティ戦略」といえるでしょう。つまり、外部要因からマーケティングを行なうのではなく、女性活躍推進やワークライフバランス施策によって組織力を高め、競争力を高めましょうという話です。

最近は女性活躍推進やワークライフバランス系のコンサルティングを行なう人が急激に増えていますが、小室さんはその先駆者だそうで、セオリー通りのロジックは一見の価値ありです。

CSR担当者はもちろん、人事や経営企画などの方も興味深く読めると思います。

女性活躍 最強の戦略

私がこれまで900社以上の企業のコンサルティングを手掛ける中で、分かってきたことがあります。それは「残業を減らすと業績が上がる」という事実です。育児中の女性に限らず、全社員が残業を減らすことにより、企業全体の業績が上がるのです。
そのためには何をすればいいか、わが社、ワーク・ライフバランス社が持つ具体的なノウハウをこの一冊に詰め込みました。