働きがいのある企業ランキング2015

先日、Vorkersの「働きがいのある企業ランキング」(2015)が発表されていましたのでシェアします。

従業員が会社を評価するという、CSR担当者の胃が痛くなるようなランキングです。

CSR活動は、従業員も企業の重要なステークホルダーとして、福利厚生や業務環境の改善なども含まれます。が、CSRの評価が高い企業がこのランキングに入ってこないとなると、「一番重要なステークホルダーが従業員って言ってたの本気なの?」みたいな意見も出るわけでして。

それも一理あるのですが、このランキングは『「Vorkers」に投稿された「社員・元社員による在籍企業の職場環境に関する評価点」』を集計しているみたいで、単純に、自分の置かれた環境についてそのまま評価しているだけでしょう。となると、それで企業のCSR的側面を計れたとは言えませんからね。

ちなみにGPTW社の「働きがいのある会社ランキング」とは違いますのでお間違えのないように。

働きがいのある企業ランキング(総合評価)

1位、P&G
2位、グーグル
3位、サントリーホールディングス
3位、日本経営
3位、日本ナショナルインスツルメンツ
6位、住友商事
6位、伊藤忠商事
8位、出光興産
9位、旭化成
10位、リクルートマネジメントソリューションズ
10位、北海道電力
10位、グロービス
10位、リクルートホールディングス

働きがい系の調査では、グーグルは毎回トップクラス。日本のグーグルは去年あたりからNPO支援も本格始動していますし、人に対しての投資やアクションは結構している印象もあります。環境関連以外の情報開示も積極的になってもらえると、各種CSRランキングでも上位を狙えると思うのですが…。

もちろん、CSRだから従業員を大切にする、というより企業文化がそのまま影響しているのでしょう。CSR活動とランキング結果の整合性は、ウェブでの情報開示量が少なく比較できないので諦めました。

法令順守意識意識ランキング

1位、P&G
2位、北海道電力
3位、キリンビール
4位、裁判所
5位、JX日鉱日石エネルギー
6位、BBコール
6位、デュポン
8位、日本GE
8位、キヤノン
10位、ニフティ
10位、七十七銀行

で、今回注目なのは「法令順守意識」の項目。現場の従業員がコンプライアンスについてどう考えているか、というのは非常に重要な企業評価だと思います。ランクイン企業は本当にすごいと思います。従業員が、ウチの会社のコンプライアンス意識はしっかりしているな、と思える企業っていうほど多くないと思います。

企業の不祥事として、情報漏洩などもありますが、現場責任者のコンプライアンス意識の低さなどから起こることもしばしば。従業員にコンプライアンス意識を浸透させることは、リスクマネジメントの観点においても非常に重要です。

「ウチの会社は口だけ」と言われないように、仕組みをしっかり見直しましょう。これは、中小企業・小規模事業者でも同じです。各種法律・法令を守ることは絶対です。不祥事やトラブルが起きる前に対応しましょう。「コンプライアンス経営」って単語をCSRコンテンツに掲載している企業もいますが、法律は守って当たり前っすから。

まとめ

あくまで一つの調査にすぎませんが、従業員が企業を評価するというのは、かなり現実的な企業評価ランキングになる気がします。

従業員に“後ろ指”をさされないように、CSR担当者はポーズだけではなく、法務部門と連携し、コンプライアンス意識を高めていきましょう。ランキングの詳しい順位は、ウェブサイトからチェックして下さい。あなたの会社も、来年は上位に入るといいですね!

働きがいのある企業ランキング2015

関連記事
コンプライアンス違反事例とCSR的なリスク管理の違い
ポイントは“ガラスの天井”改革? ホワイト企業のワークライフバランス事例68選
ワークライフバランスとCSRーー社会貢献という育休について