CSR経営は定量化できるのか? 経営戦略の良書「経営戦略全史」(三谷宏治)

CSR経営は定量化できるのか?

CSRとは何か。やはり突き詰めれば「CSR = 経営」なんだろうなと思うようになった昨今です。

あなたが、経営企画寄りのCSR担当者だったら、間違いなく、CSR関連本より経営に関する書籍を読んだ方が現場で活かせる知識が学べるでしょう。

そんな時に、読みたい本が今回ご紹介する「経営戦略全史」です。

もともと、ハーバードビジネスレビューの書籍ランキングで1位ということで注目していて、なんとなく購入しました。

いやー、これはわかりやすい。経営の歴史が一目瞭然です。

経営論の近現代史

この数十年の経営戦略史をもっとも簡潔に語れば、「60年代に始まったポジショニング派が80年代までは圧倒的で、それ以降はケイパビリティ派が優勢」となります。ポジショニング派は「外部環境がダイジ。儲かる市場で儲かる立場うぃ占めれば勝てる」と断じ、ケイパビリティ派は「内部環境がダイジ。自社の強みがあるところで戦えば勝てる」と論じました。
(「はじめに」より抜粋、引用)

ポジショニング戦略の多くは「定量的分析」ができるとし、“数字で管理する”戦略ができるとしました。経営は数値化できると。しかし、ケイパビリティ戦略は「人間的議論」を重視し、優れたリーダーシップを定量分析できないとしています。

ここで筆者はApple社の創業者スティーブジョブズ氏を例に出しますが、Apple社製品のポジショニング戦略は仮に出来ても、ジョブズ氏のような優れたリーダーシップを定量的に分析することはできないので、結局は意味はないんじゃない?みたいな話です。

その後2000年代に入り、ポジショニング派でもなく、ケイパビリティ派ではない、小さな試行錯誤を繰り返す「アダプティブ戦略」が登場すると。

“リーン・スタートアップ”という考え方を聞いた事がある人も多いと思いますが、とにかく、小さな失敗を繰り返しながら、社会の変化に適合(アダプト)させていく戦略です。テクノロジーを含め、劇的な変化が多い近代経営において“実際やってみなければわからない”という至極真っ当な経営戦略は2014年現在、広く受け入れられている印象です。

僕も自分で立ち上げた会社もありますが、ポジショニングやケイパビリティという戦略だけ知っていても、企業経営はできないと実感しています。

どこぞの社是「やってみなはれ」も、アダプティブ戦略のパイオニア的思考なのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

企業経営をする立場、つまり、会社立ち上げメンバー(創業メンバー)、役員をしたことがある人ならわかると思いますが、企業経営の現場なんて経営理論は存在しないんですよね。感覚的というか。

マトリクスやグラフを作って色々考えたりするのですが、実際は業務担当メンバーの意志で大きく変わることなんて日常茶飯事です。

そういった時にも役に立つと思うし、CSRという社会的な側面だけではない企業経営を学ぶにはちょうどいいなと。CSR関係者(支援をする人含む)には皆さんに読んでもらいたい良書でした。久しぶりに、わかりやすい経営本に出会ったなぁ。


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