2013年のCSR報告書動向を振り返る「KPMGによるCSR報告に関する調査」

CSR報告書

2013年のCSR報告書動向

今週、非常に興味深い、世界的なCSR報告書に関するレポートがリリースされていたので、共有します。

KPMGによるCSR報告に関する調査2013

日本におけるCSR報告書の具体的な対策は、どこぞの制作会社さんにお任せするとして、ざっと世界のトレンドを見てみましょう。

CSR報告のトレンド

■CSR報告の世界的なトレンド
・新興国においてCSR報告の大幅な伸びが見られる
・上位と下位の業種差が縮まる
・CSR情報をアニュアルレポートに含めることが標準となる
・GRIガイドラインの利用は世界共通となる
・大企業では外部保証が大幅に増える

■全体的な傾向
・欧州企業は他の国と模範となりつつある
・CSRインパクトが高い企業の報告品質が低い
・機会がリスクを上回る

■改善すべき点
・バリューチェーンの項目の品質向上
・重要性の評価プロセスの透明化
・目標やパフォーマンスの定義
・ステークホルダーエンゲージメントの説明
・CSRパフォーマンスと役員報酬の連動

雑感

CSR報告というプロセスおよび指標がある程度定着したせいか、ここ数年は、調査組織からクオリティの指摘が増えている気がします。

「CSRパフォーマンスを厳密に定義しなはれや」とか、「CSRマテリアリティ(重要性)の策定と、その評価プロセスを明確にしろっちゅうねん」みたいな。

日本のCSR報告書によくあるのですが、「事後報告」ばかりだと読者には伝わりにくいです。

「〇〇のCSR活動をしました」とか書かれても、読者としては「だからどうしたの?」ってなりがちです。これは報告書ではなく、ただの“独り言”ですね。最近よく言われる、CSR報告書読者との、エンゲージメントや共感という視点は皆無です。

もちろん、報告書のすべてのコンテンツが興味深いものである必要はありません。読者には若干退屈でも、説明責任を果たすために、必要なCSR報告もありますからね。

特定の制作会社を批判するわけではありませんが、CSR報告書が“最低”な企業には、“最低”な制作会社が担当になっていることが多いですね。

切り口やプロセス開示、KPI策定など、多くの企業はCSRのプロではないのでサポートしてあげればいいのにね。なぜ、CSR報告書制作会社が指摘しないのかよくわかりません。

僕もかつて、CSR報告書製作のコンペやら提案やらしてましたけど、企業のオーダーに従うと、デザインや価格ばかりが注目されます(当たり前ですけど)。

注目すべきはデザインじゃないんだよね〜。そもそも、CSR報告書って何のため、誰のために発行するのでしょうか?

他のCSR報告書に関する、調査や視点などは以下の記事を参考にして下さいませ。

CSR報告書の参考にすべきCSRガイドライン7選[2013年版]
CSR報告書の未来? 先進的な非財務情報開示「統合報告」
CSR報告書の“まとめ報告書”から見えた最新動向

まとめ

いかがでしたでしょうか。

CSR報告書の動向が分かった所で、製作している企業に何かが起きるとは思いませんが、世界や、日本の動きを把握するということも大切ですからね。

アジアでは、インド・インドネシア・マレーシア・シンガポールなどが、証券取引所や国という国家の重要機関がCSRの推進役となり、CSR報告の義務化など行っているそうです。

世界的な流れでは、大手企業(特に上場会社)のCSR報告の義務化や半強制的な開示は進むとして、報告ではなくコンテンツとなる、実際のCSR活動のクオリティが課題になるでしょう。

自己満足や、言われたからやるCSRではなく、より多くのステークホルダーがハッピーになれるCSR活動が増えればいいですね。

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